2012年5月7日月曜日

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April 11, 2012

[フレッシュ&イージー] 機関投資家が米国ビジネスを批判

英テスコの機関投資家が最近の業績悪化に対して英国の新聞で批判的な記事(またはコメント)を載せ、その中で米国事業、つまりフレッシュ&イージーの撤退を要求しているようです。

テスコの実力や店舗を実際に見た感覚としてはフレッシュ&イージーを簡単にスクラップするとは思えないのですが、しかし株主からのプレシャーで撤退を決断するということはあり得るのかもしれませんね。
例えばカルフールの日本撤退のきっかけは本体が業績を落としたからでした。


イギリスの投資家もかなりアメリカ的で短期的な利益を要求する傾向が強いようです。今までの投資額や想定される累積赤字を勘案するとフレッシュ&イージーが英国本体に利益貢献するには確かにかなりの時間を要するだろうと思うのですが、投資家は待たずに早くやめろというわけで、それが果たして正しいのかどうかと言うと難しいところです。
長期的な視点でじっくりと育てる価値のある事業もありますからね。
上場企業のジレンマです。


ついでながらこれについてアメリカのメディアが書いているのですが、相変わらずの賛否両論で、引き続き評価の安定しないフォーマットです。

<追記>
昨日のベストバイのCEO辞任のニュース、続報ではブライアン・ダンの仕事とは関係のない"個人的な行為"に問題が浮上して取締役会が調査を開始し、その結果が出る前に辞任したということなのだそうです。
個人的な行為とは、普通は女か金、ですよね。
"賞賛できる身の引き方"ではなかったようです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:02 PM |

March 30, 2012

[ダラーゼネラル] 一万店舗目をオープン

年内にも10,000店舗を突破する予定だったダラーゼネラルですが、本日新店がオープンして予定通り5桁の大台に乗せました。
場所はカリフォルニア州のメルセド、中央カリフォルニアに位置する穀倉地帯ですね。
フォーマットは通常タイプではなく大型のダラーゼネラルマーケットでした。

同社は西海岸進出にあわせて配送センターもオープンさせるそうで(場所はベーカーズフィールド)、ということはおそらく300~500店舗レベルで店舗の投入を考えていることを意味します。ダラーゼネラルの看板がこのロサンゼルスに増殖する日もそう遠くはなさそうです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:00 PM |

March 26, 2012

[ダラーゼネラル] 二桁の増収増益を記録

ダラーゼネラルが2011年度の第4四半期と通年の決算を発表したのですが、相変わらずの絶好調です。
売上高は148億718万ドルで前年比13.6%増、最終利益高は7億6,669万ドルで22.1%増、既存店成長率は6.0%増でした。
2/3時点での総店舗数は9,937店舗、2011年度の新規出店数は625店舗。

ダラーゼネラルが再生して再び快進撃を始めたのは、再上場した2009年の頃からだと思います。
つまり前年が悪かったから数値が良くなったと言うわけでも無く、ただ単純に調子が良くてその結果が数値に表れているというわけですね。
150億ドルという年商規模で成長率が年率10%を超えるというのは、やはり凄いことだと思います。

このコメントは何度も書いているような気がするのですが、ダラーゼネラルの勢いはまだしばらく止まりそうにありません。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:23 PM |

March 7, 2012

[フレッシュ&イージー] 年内の損益分岐点超えを明言

テスコのCEOフィリップ・クラークがフレッシュ&イージーの収益について言及、「早くて年内には損益分岐点を超える」とコメントしたようです。FT紙による取材に答えたもの。2012~2013年度にかけて損益分岐点を超える月が出てくるという表現なので、年間を通して利益が出るという言い方ではありません。

それと、損益分岐点が超えはじめるということと、十分なリターンが出ることは異なる、投資をしている以上リターンを出さなければならない、ということを言っています。これまでの累積赤字を念頭に置いての発言でしょうね。

推測ですが進出以来、累積赤字は7億ポンド、総投資額は10億ポンドと見積もられています。
すべてを回収して英国本体に貢献し始めるにはいましばらく時間がかかることでしょう。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:58 PM |

January 5, 2012

[ダラーゼネラル] 数ヶ月以内に1万店舗の大台を突破

ダラーゼネラルが年内に625店舗を新規出店すると発表しました。
加えてリモデルとリロケーションが550店舗、トータルすると1,175店舗に何らかの手が加えられるというわけです。

またそのうちの50店舗が昨年進出したカリフォルニアで、配送センターも建設する予定があるようです。

2010年度が600店舗、2011年度の数値が手元にまだ無いのですがおそらく同程度として、今年も同じレベルで店舗を増やすというわけですが、やはりこの数字は桁が違いますよね。

たぶん、数ヶ月以内に1万店舗の大台に達するはず。
ダラーゼネラルの快進撃が続いています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:51 PM |

November 17, 2011

ダラーゼネラルのオペレーションレベル

本日ベントンビルからアトランタへ移動しました。
アトランタに来るのは久しぶりでして、いろいろ発見がありました。
その一つがダラーゼネラル。

店舗のオペレーションレベルが高く、欠品も少なく前出しもできていて、なかなか良い店だったのですが、私がよく行くダラスやシカゴの店のレベルは総じて低く、なるほどこういう店もあるのだなと少々驚いたのでした。

この地域の他の店舗を見ていませんから断言はできず仮説に過ぎませんが、本社が近いエリアだから店舗のレベルが高いのかもしれないなと。

ウォルマートもカリフォルニアの店舗よりもベントンビルの方が良い店ですし、ウォルグリーンもシカゴの店は総じてクォリティが高いですから。


ダラーゼネラルって雑然とした店というイメージができあがっていたのですが、実はそうではないということを知ったのでした。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:36 PM |

November 3, 2011

[フレッシュ&イージー] エクスプレス1号店をオープン

昨日フレッシュ&イージーが小型の実験店舗、エクスプレスをオープンさせました。場所はロサンゼルスのほぼアーバンエリア。
昨日シカゴより戻りまして、空港からの帰途で寄れるかなと思っていたのですが、ロケーションを勘違いしていてオープン初日を見ることはできませんでした。

資料によると面積は3,000sqf(85坪、標準店舗のおよそ3分の1)、アイテム数は2,700sku(標準店舗のおよそ半分)、生鮮やグローサリーを強化したコンビニというような印象です。

これからさらに4店舗を増やし、5店舗体制で実験して展開できるかどうかを検討するとしています。


このクラスのミニスーパー市場はほぼ零細なインディペンデントが満たしています。車で町を走れば、必ず何件かは目にする事ができます。
ここを大手が狙うというわけです。
カギはチェーン展開するほど利益が出るのか否か、でしょうね。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:49 PM |

October 12, 2011

[99センツトオンリーストア] 16億ドルでバイアウトが成立

99センツオンリーストアのバイアウトが決まりました。買収に合意したのは投資企業と年金組織、総額は16億ドルです。
これから株主の承認を経て正式に買収が成立します。

99センツオンリーにはいままで何度か買収オファーがあり、しかし株主に拒否されて買収が成立しなかった経緯があるのですが、今回は買収提案額が高めなので決まるんじゃないでしょうか。


この企業、10年ぐらい前までは店舗で勢いを感じたものなのですが、最近は力強さをめっきり感じなくなってしまいました。創業社長が退いて娘婿が経営をはじめてからオペレーションパワーが弱くなったように思ってます。


しばらく投資企業の傘下にいて、資産の整理をして企業価値を上げて、ひょっとするとその間に経営者が代わり、どこかにすべて売却して創業一族はお金を手にして退く、というシナリオなんじゃないでしょうかね。


<追記>
明日より研修のコーディネートで出張となるためアップデートがまばらとなりますがご容赦ください。時間があれば、店舗の情報でも載せたいと思っています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:53 PM |

October 11, 2011

[フレッシュ&イージー] 狙い撃ちの規制がカリフォルニア州で成立

カリフォルニア州においてセルフレジしか置かない店でお酒を売ることができないとする規制が成立しました。来年の1月1日より販売が不可能となります。
お酒を売りたければ必ずフルサービスのレジを最低一つ設置しなければなりません。


この規制、フレッシュ&イージーを狙い撃ちするものであります。
セルフレジのみでお酒を売っているリテーラーはフレッシュ&イージーだけですから。

実は規制化に向けて後ろ盾となって強くプッシュしたのがUFCW(食品労働者組合)でして、なぜかというと、フレッシュ&イージーが非組合企業だからなんです。

UFCWは、ウォルマート、ターゲット、コストコ等の組合化を認めない大手企業に対してあらゆる手を使って攻撃をかける組織で、例えばウォルマートに対するアンチ運動が有名ですが、今回はお酒を武器にしてフレッシュ&イージーを狙い撃ちして成功したというわけです。


セルフレジとは言うものの必ず担当者が一人いて、酒をスキャンするとその店員が年齢確認するまで買えない仕組みになっているので、セルフレジでもほぼ問題ないと思います。

それとフルレジを最低一つ置くことを条件としているのですが、"セルフレジでお酒を買う"という購買行動はいずれにしても可能なわけで、フルレジが必要だとする意味がどこにあるのかよく分からない。
"フルレジのキャッシャーがセルフレジに目を光らせる"ということかもしれないけど、それならば、セルフでも担当者が一人いるわけだから何も変わりませんよね。


アメリカの酒規制は古い時代を引っ張っていてもともと不合理な点が多いのですが、ここに組合が絡むとさらに不合理になるということでしょうかね。


まあ消費者としてはいずれにしてもレジを通らなければならないのでそれほど大きな不都合はないのですが、フレッシュ&イージーはちょっと大変ですね。1月1日に向けて、フルレジを設置し、キャッシャーを雇わなければなりません。
何か抜け穴でも見つけない限り、コストアップは避けられない状況となりました。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:02 PM |

October 10, 2011

[フレッシュ&イージー] 赤字が縮小、この6ヶ月間がカギ

テスコが第2四半期の決算を発表し、その中で米国事業についてコメント、フレッシュ&イージーの赤字が減って来年度中の黒字化は予定通りだそうです。

半期で売上高は4億7050万ドルで前年比23.1%増、赤字は1億1300万ドルで昨年同時期の1億5100万ドルから改善されました。

"これからの半年が非常に大きい、どれだけ売上を伸ばし赤字を削減できるか。自信を持っているが、この6ヶ月間がカギだ"(フィリップ・クラーク)

ここまで言明してダメになるということはまずないと思うので、フレッシュ&イージーは軌道に乗り始めていると思って間違いないように思います。


画像はリモデルフォーマットに導入されたインストアベーカリーです。
フレッシュ&イージーのインストアベーカーリー

パンのインストア加工って肉や魚と比較すると作業工数が少なく、熟練を必要としないから導入したのでしょうね。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:58 PM |

August 30, 2011

[ダラーゼネラル] 第2四半期決算、大幅増収増益で絶好調

ダラーゼネラルが絶好調です。
第2四半期の決算ですが、売上高11.2%増、最終利益高25%増、既存店成長率5.9%増と大幅な増収増益を記録、結果を受けて通年の業績見通しを上方修正しました。

客数と客単価と両方ともに上がっているようで、分野では消耗必需品が強く、とくに食品がよく売れたとしています。
食品が売れると荒利が悪化するが0.1%減にとどまり、一方新たなレイバーマネジメントプログラムの導入とマーチャンダイジングプロセスの改善で経費率が0.4%下がり、これが利益高の大幅増につながった、とのこと。

また食品売場を大きくしたフォーマット、ダラーゼネラル・マーケット(57店舗)が好調で徐々に増やしていくようです。このフォーマット、開発以降しばらく音無しだったのですが、ようやくプロトタイプができあがったようですね。


ウォルマートと好対照の業績で、低価格帯の小型店舗企業群に売上高を奪われている巷間言われていることを説明するような業績ではないかなと。


今年の新店予定数は625店舗、改装予定数は575店舗、予定通りだそうで、来年中の1万店舗超えが射程距離に入ってきたようです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:20 PM |

August 12, 2011

[ファミリーダラー] 7,000店舗目をオープン

昨日ファミリーダラーが7,000店舗目をオープンさせました。場所はテネシー州のメンフィス。

競合企業のダラーゼネラルの店舗数は昨日のプレスリリースでは"9,500店舗以上"となっています。先日の業界セミナーではダラーゼネラルの幹部が9,800店舗と言ってましたので、おそらくリリースはアバウトな数値を使っているのでしょう。
おそらくかなり近い将来、1万店舗を突破しますね。


双方を足すと1万7,000店舗、これがすべて直営です。
コンビニのようにフランチャイジングではない。

それとダラーゼネラルは全店舗の99%が黒字だと聞きました。おそらくファミリーダラーも同じような数字ではないかと思うので、まあつまりほとんどの店舗が利益を生み出しているというわけです。


一店舗あたりの売上高はたいしたものではないのですが、儲けの出る店舗とし、チェーン展開し、これを集積させることで大きな収益を上げる。
チェーンストアとはこういうものだという典型例じゃないでしょうか。


投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:13 PM |

August 10, 2011

[フレッシュ&イージー] 小型フォーマットの実験を開始

フレッシュ&イージーがさらに小さなフォーマットの実験を始めるようです。
新たに開発する店舗の面積は、売場が3000sqf(85坪)で総面積は4000sqf(113坪)、現行のフォーマットがおおよそ1万sqf(282坪)なので、3分の1程度の面積となります。
おおよそコンビニエンスストアと同じぐらいのサイズですね。

今後数ヶ月の間に3店舗をオープンさせて実験するそう、すでにロケーションは決めているようですね。

マーチャンダイジングについてはまだ検討段階、ただ資料を読むにフレッシュをメインに据えるようなので、ニューヨークのマンハッタンにあるような総菜ストアのような感じになるのでしょうかね。


マンハッタンのような人口が密集している大都会を除いてアメリカにはこのタイプの店がほとんどありません。
昔はあったのでしょうが、スーパーマーケットが駆逐してしまいました。一つは車社会、一つはまとめ買い文化、に理由があります。

ほとんど存在しないだけに価値はありそうですが、しかしニーズがないから存在しないとも言え、この実験の行方は注目できると思っています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:22 PM |

July 20, 2011

[フレッシュ&イージー] 店舗のリノベーションに着手

一昨日に続いてのフレッシュ&イージーのニュースです。どうやらファイナンシャル・タイムズの記者が米国事業の責任者ティム・メイソンと一緒に店舗訪問して書いた記事の模様。

店舗デザインとマーチャンダイジングの変更です。

・花を現在の店舗の中央付近から入り口付近へ移動する。
・持ち帰り用のフレッシュコーヒーを実験する。
・対面サービスのベーカリーを導入する。
・HBC売場を縮小して加工食品500アイテムを加える。
・約3分の1の店舗面積をウッドフロアとする。

ティム・メイソンのコメントを抄訳します。
「フレッシュ&イージーは極めてシンプルなリテールモデルである。何かを加えると言うことはコストを加えることなのだが、今回の変更は加える価値が十分にあるものだ」。


このシンプルなリテールモデルがキーワードですよね。

どこまでこれにコミットしながら、食品リテーラーとしての楽しさや賑やかさを作っていけるかがフレッシュ&イージーの成否を握るかと。


ちなみに一昨日エントリーしたFSPは、各商品ごとの値下げ販促をお客によるカード使用のモチベーションとせず、使用を促す販促はポイントバックのみとするようで、その理由をメイソンはEDLPにコミットするためとしています。
お客とのコミュニケーションもメールのみとして、郵送によるダイレクトメールは送らない。

それとダンハンビーは使わないそう。
クローガーとの競合問題が指摘されていますが、本当はコスト問題なのではないかと私は推測しています。
誰がコストを負担するのかという話ですね。
長くなるので割愛しますが、これ、分かる方には分かることだと思います。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:12 PM |

July 18, 2011

[フレッシュ&イージー] FSPの導入を表明

フレッシュ&イージーの責任者ティム・メイソンがFSP(またはロイヤルティマーケティング)を導入する予定であることを明らかにしました。
報じたのはファイナンシャル・タイムズ、イギリスの経済紙のためかテスコ系のニュースについては最も早く正確です。

名称はフレンズ・オブ・フレッシュ&イージー。
英ダンハンビーが分析を請け負うようです。米ダンハンビーはクローガーとのJVであるためクローガーと直接競合しているフレッシュ&イージーの仕事はできないと気を使った模様。

この結果、フレッシュ&イージーはEDLP戦略から少々逸脱することになりますね。おそらく今後値下げプロモーションをお客にダイレクトに打っていくことになるでしょうから。
ビジネスモデルの根幹が変わることになります。

それとPB比率が高いフレッシュ&イージーにおいて、FSPで発生する費用を誰が負担するのか興味津々です。PBメーカーが負担するんでしょうかね。


ティム・メイソンのコメントを読むに、当初から計画していたようで、既定路線みたいですね。
まあ、テスコにとってのFSPは最終兵器のようなものですからこれを米国事業で生かしたいというのは当然とも言えるわけで、ということはもともと完全EDLPなんて考えていなかったということになるわけです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:11 PM |

June 23, 2011

[フレッシュ&イージー} サンフランシスコに一号店を開店

昨日フレッシュ&イージーがサンフランシスコに一号店をオープンさせました。
ローカル紙が写真を載せてます。
1st Fresh & Easy market opens in S.F.


フレッシュ&イージーのサイトを見るに、ナパなど郊外も含むような広い意味でのサンフランシスコ地域(グレーター・サンフランシスコ)とすると開店予定はすでに21店舗になってます。
サクラメントエリアには15店舗、合計すると37店舗をオープンさせる計画をすでに持っていることになります。

実験うんぬんではなくて、最初っから絨毯爆撃してしまうわけですね。

すべてロサンゼルス郊外の配送センターがカバーする。
どこかの時点でサンフランシスコ地域に配送センターをオープンさせて切り替えることになるわけです。


まあこうみると、フレッシュ&イージーがアメリカから撤退するなんてそぶりはみじんも感じることはできません。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:21 PM |

June 10, 2011

[ファミリーダラー] ウィリアム・アックマンが大株主に

アクティビスト型の投資家、ウィリアム・アックマンがファミリーダラーの株式を買い集め、8.9%まで取得し最大の株主になったことが明らかになりました。
随分前からファミリーダラーにラブコールを送っていたのですが、本腰を入れたようです。

気になったので調べたのですがCEOのハワード・レビンの比率は3%ぐらいなので、創業一族を超えた比率を所有したわけですね。

もちろん株には優先株などいろいろ種類がありまして、大株主になったからといって会社を自由にできるというわけではありませんが。


アックマンが投資家向けのカンファレンスで、ファミリーダラーについてこう表現しています。

"It's a high return on capital business. They spend their money intelligently."
(資本ビジネスとしてハイリターンだ、彼らはお金を知的に使っている)

ファミリーダラーの店舗は一見するとつまらない店でして、素通りしてしまう日本の業界人も多いことでしょう。
しかしながら投資価値があるということはそれだけ儲かっていることを意味していているわけですよね。
上場している以上、投資家からこう言われない企業は何かがおかしいと反省しなければなりません。

またダラーゼネラル、ダラーツリー、ファミリーダラー、さらに加えるとビッグロッツやチューズデーモーニング、こういった企業群の売場を見て何かをピンと感じるように感性を磨く必要があるでしょう。


ちなみにファミリーダラーにはバイアウトのオファーが他の投資企業から来ていて、これと勝負をするためにアックマンは株を買い増したように思います。
資本をめぐる駆け引きは経営陣としてはいい迷惑ですが、でも決して悪いことではないし、対処が面倒ですね。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:21 PM |

June 8, 2011

[アルディ] 消費者意識調査でロープライスイメージ1位に

どの企業が一番ロープライスイメージが強いのかという調査でアルディが一番となりました。
(調査したのはMarket Force社、N数は6,100人)

アルディ、コストコ、ジャイアントフーズ、HEB、クローガー、マイヤー、パブリックス、セイフウェイ、ショップライト、ウォルマート、の10社をまずリストアップし、各社について、価格、クレンリネス、サービス、品質、立地、レジ、といった項目でランク付けしてもらうという手法を取っています。

おそらく調査に参加した人が住んでいる地域に出店している企業を選んだのでしょうね。


価格では、アルディ、ウォルマート、コストコが上位三社で、アルディが他の二社をおさえて1位でした。


アルディは全米レベルでは知名度はまったくない企業です。
基本的に広告宣伝もほとんどしません。
でもこうやって選ばれてしまうということは、価格競争力が非常に強いからに他なりません。

アルディの強さを垣間見た気がしてエントリーしました。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:52 PM |

May 24, 2011

[フレッシュ&イージー] サンフランシスコ1号店のオープンは6月22日

フレッシュ&イージーがサンフランシスコ地域での1号店を6月22日にオープンすると発表しました。2ヶ月後の8月24日に2号店、現時点では11店舗まで出店場所の手当がついていまして、ロケーションはすべてサイトで確認することができます。

この飛び地、フレッシュ&イージーにとっていいのか悪いのか、ずっと考えているのですが判断が難しい。
南カリフォルニアがまだ黒字化していないのに出てしまうわけです。

おそらく店舗によっては黒字化していると思うのですが、トレーダージョーズのようにどこでもよく売れるという繁盛フォーマットではまだないですから、北カリフォルニアの店舗もすぐにガンガン売れるというわけにはいかないでしょう。

これを遠くに作って、管理しきれるのかどうか。
おおよそ本社から離れた飛び地出店はうまくいかないことが多いんですよね。


フレッシュ&イージーの北上が北カリフォルニアの競合企業にどういう影響を与えるのか。
興味を持って見守りたいと思ってます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:56 PM |

April 20, 2011

[フレッシュ&イージー] テスコが昨年度の決算発表、大幅に増えた米国事業の赤字

英テスコが昨年度の決算発表(2月26日期末)、その中でフレッシュ&イージーの業績に触れているのですが、赤字がさらに増えてまして米国事業がいまだ軌道に乗っていない状況を物語っています。

売上高は8億1,800万ドルで前年比42%増なのですが、赤字が3億700万ドルで昨年の2億5300万ドルから大幅に増えています。
既存店成長率は9.4%増でした。

コメントでは、昨年サプライヤーを買収したのでこれが赤字額を急増させた、今年度は赤字は縮小して行くことだろう、300店舗で損益分岐点を超える予定で、2013年度末までには黒字化するだろうとのこと。
ちなみに現在の店舗数は172店舗です。


政府は、環境を、保護する必要があり


店舗を見る限り、ちょっとおおざっぱな言い方なのですが、だいぶこなれてきたなという印象を持ってまして、黒字化へ向かっているという説明も決して的を外していないようには思うのですが、しかし赤字額が大きいので大丈夫なのだろうかと心配になります。

まあ、キャッシュフローを公開していませんから経営的に本当はどうなのか分からず、表面的にか判断できないわけで、フレッシュ&イージーの現状はまだまだ不透明です。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:32 PM |

April 12, 2011

[ライトエイド] セブアロットとの共同フォーマットが順調に推移

ライトエイドがスーパーバリュ傘下のセブアロットとパートナーシップを組んで、ドラッグストアと食品をミックスしたフォーマットの実験を実施しているという話はすでにエントリーしました。

セブアロットと提携して新フォーマットを開発

10店舗で実験しているのですが、第4四半期の既存店の売上高が前年対比で83%上がったと順調さをアピールしてまして、スーパーバリュとの今後の契約次第では店をさらに増やす可能性があることを示唆しています。


もともとライトエイドは一店舗当たりの売上高が低いですから、ここに食品を導入すれば売上は確かにどんと上がることでしょう。課題は生産性と利益、儲かるのかどうかですよね。


ライトエイドとセブアロットがくっつくとどういう店になるのか・・・まだ見たことがないので、一度見てみたいと思っています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:03 PM |

March 23, 2011

[ダラーゼネラル] ネバダ州へ進出、カリフォルニアへの足がかり

ダラーゼネラルが決算を発表しました。
売上高130億ドルで前年比11%増、最終利益高6億2,790万ドルで85%増、既存店成長率は4.9%増で、極めて好調な業績でした。
客数も、客単価も上がっているそう。

もちろん他業態も含めてあちこちの競合からお客を奪っているわけですが、ウォルマートから流れてきていることを指摘する人が多いですね。またウォルマートが低価格戦略へ戻りましたが、一度流れた客を戻す難しさを指摘する声が多いです。

ただダラーゼネラルも少しずつ数値が落ちている。四半期ごとの既存店成長率が、第1から順に、6.7%増、5.1%増、4.2%増、3.8%増で、わずかずつ数値が悪化しています。


さてこの発表と同時に出店戦略を発表、ネバダ州への進出を明らかにしています。そしてはっきりと、カリフォルニア進出への足がかりとすると言ってます。
アメリカをざっくりと東、中、西と分けると、西にはまったく店舗を出していなかったのがダラーゼネラルです。


<募金について>
グーグルより違反という指摘があり、72時間以内に修正せよと命令されました。
誘導するのがよくないとのこと。
やむなく過去のエントリーから文言をはずしましたが。
少なくともクリックすると広告を目にするわけだから、広告主の目的は達成されるわけですよね。
その上で、義援金としてすべてを寄付すると言っているのに、なんて杓子定規なんだろうと。
情けなくなります。
どうやらボットで文言を解析して自動で警告を送りつけているようなので、何か手がないか模索中です。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:44 PM |

March 2, 2011

[フレッシュ&イージー] 北カリフォルニア初の店舗をオープン

サンフランシスコ近郊のサンノゼとダンヴィルに店舗を本日オープン、とうとう北カリフォルニア進出の幕が切って落とされました。年内の早い内に10店舗以上をこれからオープンさせるとのこと。

現在166店舗、1号店オープンからおよそ3年間が経過しているので、1年間に50店舗ペースということになりますね。

北カリフォルニアに進出して、これから出店ペースは加速するんでしょうか。
テスコのCEOが変わって、赤字の米国事業の戦略に何か変更があるのかどうかに私は注目しています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:40 PM |

January 10, 2011

[ファイブビロウ] シカゴへ進出、中西部進出の足がかりへ

ファイブビロウがシカゴへ進出します。1店舗目のオープンは今春で、その後20店舗まで増やして市場の受け入れ状況をモニターする。今後3~5年で60店舗体制に持って行くことが目標だそうです。

ついでに今年の出店予定は60店舗です。

この企業については一昨年にエントリーしてます。
成長に拍車がかかった新フォーマット

この企業、成長し始めたばかりの非上場企業で情報があまりないのですが、サイト情報では店舗数は140店舗以上となっていて、2年で約40店舗が増えてます。今年は60店舗ですから、少しずつ新規出店数が増えているんじゃないでしょうかね。

非常にユニークなフォーマットでして、あまり知られてませんが私は注目しています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:43 PM |

January 5, 2011

[ダラーゼネラル] 2011年度の新店数は625店舗

ダラーゼネラルが2011年度に625店舗の新店をオープンさせる予定であることを明らかにしました。
加えてリモデルまたはリロケーションが550店舗、トータルすると1,175店舗に何らかの手が加えられるということになります。

おそらく今年度の新店数は600店舗だったはずなので、25店舗の増加ですね。


ダラーゼネラルは景気の悪化という追い風もあるのですが、新CEOの元でマネジメントが格段に向上しています。足下がしっかりしていますので、しばらく勢いは止まらないでしょう。

現在9,000店舗台でして、いつ1万店舗に到達するのか楽しみとなってきました。


投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:46 PM |

December 23, 2010

[ライトエイド] セブアロットとの協働フォーマットを拡大

ライトエイドがセブアロットと提携して新しいフォーマットの実験を開始したのは9月のことでした。

セブアロットと提携して新フォーマットを開発

第3四半期の決算発表のカンファレンスでこの実験についての結果に言及、フロンドエンドの売上高が100%アップするなど今のところ好調に推移しているため店舗数の拡大を検討しているとしています。

一方、売上減に利益は赤字、18ヶ月連続の既存店マイナス成長、と業績は相変わらず悪い。
火の車の状態と言っても過言ではないのですが、そんな状態がもうここ10年ぐらい続いてますから、そういう意味ではこの企業は凄いです。


さてこの提携フォーマット、ライトエイドに自ら開発する技術が欠けているからで、同じように技術がない日本のドラッグストアが安易にコンビニと組むのと似通っているという話はしましたが、ライトエイドには深刻な悩みがあって、実は解決策としてこれぐらいしかないのだということを知りました。

閉店しているにもかかわらず家賃を払い続けているリース面積が1,000万sqf超もあり(そのうちの400万sqfはサブリース済み)、金額にすると1億ドルに達していて、このスペースに新フォーマットを再オープンさせることを考えている可能性がある。
ドラッグではダメ、サブリースもできない、だからこういう提携プランで埋めるしか手がない、というわけです。


この新フォーマット、残念ながらまだ見たことがありません。
実験商圏がサウスカロライナと、なかなか行けない地域なので、実際に見るにはまだしばらく時間がかかりそうです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:06 PM |

November 18, 2010

[ダラーツリー] カナダのワンプライスストアを買収

ダラーツリーがカナダのダラージャイアントという企業を買収することが分かりました。買収総額は約5,200万ドルに加えて若干の債務、となっています。

ダラージャイアントは本社をバンクーバーに置く企業で、店舗数は86店舗、平均店舗面積は9,000sqf(250坪)、売価は1.25カナダドル、だそう。

ダラーゼネラル、ファミリーダラー、などなど、低価格帯の小型フォーマット企業群に海外進出している企業ってあまりないんですね。
ですからこの買収は興味を引きます。

なぜ海外に出ていないかというと、アメリカ国内だけでまだまだ十分に成長余地があるからです。ダラーツリーもまだ米国内に十分に成長余地があるということを言ってます。

でも実は限界が見えてきたのかも知れませんね。

それと、カナダにもワンプライスストアってあるんだなと改めて実感しました。ワンプライスはかなり古くからある価格政策なんですが、どこでも通じるグローバルな手法でもあります。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:25 PM |

October 5, 2010

[フレッシュ&イージー] 13店舗閉鎖で初のスクラップ

フレッシュ&イージーが11月2日までに13店舗を閉鎖することを明らかにしました。場所はアリゾナ6店舗、ネバダ6店舗、南カリフォルニア1店舗。
ただしおもしろいのは、"店舗周辺の住宅事情と雇用環境が良くなってきたら再オープンさせる"、と付け加えているんですね。

それまでリースを支払い続けて場所を占有しておく、と考えるのはちょっと無理がありそう。シンプルに、リース条件のしばりがあって完全撤退できないと考える方がいいのかもしれません。
またひょっとするとサブリースしてしまう可能性もある。

もしくは、このニュースが忘れられた頃にひっそりと撤退してしまうということも考えられる。いま13店舗を完全撤退と発表するとマイナスイメージが強すぎますから。

この発表と同時に新店プランも明らかにしてます。半期で19店舗、そして今後2年間で200店舗だそうです。


英テスコが半期の決算を発表したのですが、フレッシュ&イージーは売上高3億9,270万ドルで前年比47%増、最終利益は1億5,100万ドルの赤字、既存店成長率は10%増でした。店舗数は159店舗。
以下コメントです。
"一店舗当たりの売上高は損益分岐点に着々と近づいている。通年の赤字幅はそろそろ山を越すと予測するが、今年の赤字が昨年より大きく改善されるということはまだないだろう"

単純計算で一店舗当たり247万ドル、年商にするとおよそ500万ドル。
私の感覚としては、確かにあともうちょっとで損益分岐点を超えそうな数値だと思います。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:41 PM |

September 30, 2010

[ファミリーダラー] 2010年度は増収増益、今期も好調を持続

8月末を期末にしている小売企業は何社か存在するのですが、そのうちの一つがこのファミリーダラーです。
第4四半期と通年の決算を発表したのですが、絶好調です。

売上高は78億6,697万ドルで前年比6.3%増、最終利益高は3億5,814万ドルで23.0%増、増収増益ですが伸び率が高い。
また既存店成長率は4.8%増で、客数と客単価アップが寄与したと資料には書いてあります。小売業界の指標として重要なのは客数ですので、上がっているということはやはり好調であることを意味しています。

次年度の予測もかなりポジティブで、しばらく伸びが持続しそうです。

ダラーゼネラル、アルディ、トレーダージョーズ、ダラーツリー等々、このセクターはおしなべていま好調なのですが、ファミリーダラーも例外ではないということが確認できました。


投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:12 PM |

September 7, 2010

[ライトエイド] セブアロットと提携して新フォーマットを開発

ドラッグストアのライトエイドがスーパーバリュと提携、店内にセブアロットブランドを導入して食品を扱うことを発表しました。
サウスカロライナ州の既存店10店舗を改装、ファーマシーとHBCは残して、残りのスペースに加工食品、青果、精肉を導入するそう。

店舗のオーナーシップはライトエイドなので、たぶんアソートメントと物流はセブアロットが担当し、看板にセブアロットをつけ、店員はすべてライトエイド、ということではないかと思います。

セブアロットは店内作業の負荷が非常に軽いモデルですから、ドラッグストアの店員でもこなせるということなんでしょうね。

ただセブアロット=低所得層、というイメージが非常に強いのですが、このあたりはどうなんだろう。ライトエイドというブランドイメージにどう影響を与えるのか興味があるところです。

ウォルグリーン、CVSと食品強化に余念がないのですが、ライトエイドは他力本願で食品強化というわけです。自力でやる力が無いんでしょうね。

日本で近年流行中のドラッグとコンビニのコラボと似てるかもしれませんが、まあつまり日本のドラッグも他力本願でして、どちらも安易だなと思ってます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:24 PM |

August 23, 2010

[フレッシュ&イージー] サンフランシスコへの配送は南カリフォルニアから

昨日のエントリーで、"配送センター稼働のメドがたったんでしょうね"と書いたのですが、考えてみたらわずか8店舗のために巨大な配送センターを動かすなんてことはありえないんですね。

どうやらロサンゼルス近郊の配送センターからサンフランシスコまで運ぶことをとりあえず考えているようです。

この場合、運転時間が8時間を超えるため一人のドライバーが最初から最後まで運ぶことができず、中継地点をどこかに設置することになります。


長距離輸送はアメリカの得意芸とも言えて、フレッシュ&イージー自身がラスベガスとフェニックスの店舗をロサンゼルスの配送センターがカバーしています。
フェニックスのグローサリーホールセラーが南カリフォルニアの店舗をカバーするなんてことも実際にあります。


ローカルのホールセラーに委託し、店舗数が一定規模を超えたら自社配送センターを稼働させるという手もあるのですが、PBが多いですから難しい。

課題はリードタイムが長くなることからくる欠品と、総菜の鮮度、でしょうね。

アメリカは長距離物流では世界で一番効率がいいという話を聞いたことがあります。一方日本は短距離物流で一番効率がいいそうですね。
分かるような気がします。

ただ長く走ることによる二酸化炭素排出量ってどうなんでしょうね。
アメリカの流通業界は大規模なハブを作って長距離を配送するというモデルをずっと作ってきたんですが、エコという観点から産地と消費地を近づけようという動きもあるんです。


投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:54 PM |

August 20, 2010

[フレッシュ&イージー] サンフランシスコ周辺への出店は来年早々に

フレッシュ&イージーはかねてから北カリフォルニアに出店すると言っていて、ホームページを見てもすでに出店予定マークがけっこうあるのですが、出店時期が来年早々になることを公式に発表しました。ただし明確な出店日時はまだ明らかにしていません。。

サンフランシスコ、サンノゼ、ダンビル、パシフィカ、ヴァカビル、モデスト、ウォルナットクリーク、コンコルド、の8つの地域に一店舗ずつ、トータルで8店舗をまずオープンさせるそうです。

配送センターの稼働のメドもたったのでしょうね。

しかし、南カリフォルニアがまだ採算に乗っていないのに北へも進出してしまうと言うのは、強気と表現すればいいのでしょうが。。。。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:55 PM |

August 19, 2010

[ダラーツリー] 店舗数の上限は7,000店舗

ダラーツリーが第2四半期の決算を発表、カンファレンスコールでCEOのボブ・サッサーが、現状の3,925店舗からさらに3,000店舗を追加して7,000店舗まで増やせるとコメントしています。
おおよおあと2倍のサイズまで行けるということですね。

業績は絶好調でした。
売上高は14億ドルで12.7%増、最終利益高は7,800万ドルで37.1%増、既存店成長率は6.7%増。
半期にすると、売上高12.7%増、最終利益高20.7%増、既存店成長率6.6%増。

今年度は230店舗を増やして、年度末には4,155店舗になるだろうとしています。


昨日ウォルマート・スーパーセンターの不調についてエントリーしましたが、ウォルマート顧客の多くがダラーゼネラルやダラーツリーといったバリューディスカウントストア流れていると巷間言われてます。
まあつまり端的に言うと、米国ウォルマートのマイナス分がバリューDSのプラス分になっているということなんですね。

アメリカでいま最も勢いのある業態なんじゃないでしょうか。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:26 PM |

July 29, 2010

[ダラーゼネラル] 9,000店舗目をオープン

バリューディスカウントストアのダラーゼネラルが7月31日に9,000店舗目をオープンさせます。場所はケンタッキー州ファウンテン・ラン。

フランチャイジング制を取るコンビニチェーンを除く直営店舗数で、同社は全米最多の店舗数を誇っています。
グローバルでもカルフールの6,900店舗を超えていて、ワトソンとほぼ互角といったところなのですが、カルフールとワトソンは複数の国をまたいでいますので、一つの国だけとするとダラーゼネラルはダントツの1番ということになります。

今年の予定新店数は600店舗なので、数年の間に1万店舗を越えるのではないでしょうか。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:01 PM |

July 22, 2010

[99センツ・オンリー・ストア] 売価のアップに対して集団訴訟

99センツ・オンリー・ストアが集団訴訟を2つ起こされました。

およそ2年前、この企業はプライシングの変更を実施しました。売価を99セントから99.99セントへと値上げした。99.99セントというのはありえませんから、つまり実質的には売価は1ドルになったんですね。
99セント・オンリー・ストアではなくて、1ドル・オンリー・ストアになった。

理由は原価の高騰、急速に上昇した原価に対応しきれず、やむなく上げた、ということになっています。

さらに、売価の数も増やした。59セントとか、69セントといった売価で、たしか全部で7つぐらいあったように思います。

つまり、99セント"オンリー"ではななくなった。


これに対して、お客はいまも99セントだと思って買っている、だましじゃないか、として消費者グループが訴訟を起こしたというわけです。


シングルプライスストアは、既存店の売り上げを上げるには、客数アップか買い上げ点数アップしか手がなくて、売価を上げるという手法が取れません。
だからどうしても売価を増やしたくなる。

ダラーゼネラルもファミリーダラーも、昔はシングルプライスだったんだけど、いまは売価が一杯あって、つまりシングルプライスというビジネスモデルが、進化の過程で売価を増やすことは、まあ、良くあることではあるんですね。


ただ99センツ・オンリー・ストアの場合、店舗名に"オンリー"とうたってしまっているところに、問題があるように思います。

私も実際店頭で、"ちょっとこれは・・・?"と感じますから。

訴訟の行方に注目したいと思います。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:20 PM |

July 14, 2010

[フレッシュ&イージー] ロサンゼルスエリアに100店舗目を開店

ロサンゼルスエリアで100店舗目となる店舗をオープンさせることを明らかにしました。日時は9月8日、一日に4店舗をオープンさせて100を超すようです。現在98店舗なので、この日にトータルは102店舗となります。

現在ロサンゼルスに他に、フェニックス37店舗、ラスベガス27店舗で、現在のトータル店舗数は162店舗です。


13日の研修でフレッシュ&イージーを1店舗見に行ったのですが、サインボードやフック陳列などが当初よりも随分増えて、ゴチャゴチャ感が出てきています。
当初のすっきりした店作りと比較すると随分変化してきた。
それだけ作業コストが増えてきていることを意味しているのですが、どうなんでしょうね。売りを作ろうとする努力はよく分かるんですが・・・。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:14 PM |

June 24, 2010

[フレッシュ&イージー] 生鮮ベンダー二社を買収

フレッシュ&イージーがベンダーを買収しました。
買ったのは2社、1社は精肉と鮮魚、もう1社は青果をフレッシュ&イージーに卸している問屋です。
買収の目的は生鮮青果のマーチャンダイジングではなくて、総菜オペレーションの改善にあるようです。つまり加工用の生鮮食品の仕入れに手を加えたというわけです。

この買収、フレッシュ&イージーがいまだアメリカにコミットしていることのサインと受け止めていいんでしょうね。

これから本体のCEOが代わると海外戦略が大きく変更される可能性はあるのですが、当面は赤字運営を続けるつもりと見ていいようです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:26 PM |

April 21, 2010

[フレッシュ&イージー] 58%の増収、週に1店舗ペースで新規出店予定

昨日、出張より戻りまして、本日より通常のエントリーを再開します。興味のあるニュースがいくつかあるので、数日に分けて紹介していきます。

まず今日はフレッシュ&イージーについて。テスコが昨年度の業績を発表しまして、売上高5.6%増、最終利益高9.5%増と好調でした。
本国のイギリスの売上高は4.2%増、アジアは15%増、イギリス以外のヨーロッパでは1%減という結果。イギリスではシェアが30%前後に達しているのですが、今でも売上を伸ばしているという点には驚きます。

アメリカですが、売上高は3億5,400万ポンドで58%増、しかし1億6,500万ポンドの赤字となっています。
米ドルに換算すると売上高は5億4,400万ドル、日本円だと505億円ぐらいですね。
リリースによると、赤字幅はピークを越えた、これから週に1店舗ペースで増やして行く、となっています。いろんなことを言われてきたフォーマットですが、いまのところ引く気配はまったくありません。

ただ北カリフォルニアにまもなく進出する予定となっているのですが、延期するというような話も出ているようで、版図の拡大については余談を許していません。


さて、ちょっと計算してみると、年度末に145店舗だったので、一店舗当たり353万ドル程度の売上高となります。去年の数値は268万ドル程度だったので、1店舗当たりで約32%も平均売上高が伸びていることになります。
353万ドルではまだまだなのですが、ランニングコストの極めて低いモデルなので、このまま伸ばして行ければもうちょっとで黒字化できるんじゃないでしょうかね。


投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:50 PM |

April 5, 2010

[ダラーゼネラル] 増収増益で絶好調、来年は新店数は600店舗を予定

先週末のライトエイドに続き、もう一つだけ決算ネタを。

水曜日にダラーゼネラルが業績を発表しました。売上高は117億9,638万ドルで前年比12.8%増、最終利益高は3億3,944万ドルで前年比213.8%増、既存店成長率は9.5%増。
素晴らしい業績でした。

今年の出店プランは、新店が600店舗、リモデルかリロケーションが500店舗、設備投資額は3億2,500~3億5,000万ドルの予定となっています。

出店プランも極めて強気です。


昨年ウォルマートが既存店成長率をマイナスとしましたが、ダラーゼネラルやファミリーダラーにお客を取られているんじゃないかという指摘があります。ウォルマートは若干上の層へと対象市場を広げようとしているのですが、その結果としてボトム層が外に流出している可能性がある。

拙著にも書きましたが、ウォルマートは昔からダラーゼネラルを最も警戒してきました。なぜなのかというと、ごくごく簡単に行ってしまえばウォルマートを小さくしたのがダラーゼネラルだからですね。
逆に言うと、サム・ウォルトンは昔ダラーゼネラル型のバラエティストアをやっていて、このフォーマットを大きく進化させてディスカウントストアを開発したわけです。


ウォルマートが出店すると周辺に数店舗出店できるとダラーゼネラル自身が言ってます。これにこれから食品のアルディが参戦してくる。巨大な店ができると、周辺にコバンザメのようにダラーゼネラルやアルディが出てくるというわけです。


ウォルマート、このあたりにこれからどう対処するんでしょうね。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:33 PM |

January 12, 2010

[フレッシュ&イージー] ダンハンビーUSAとビジネスの可能性について協議中

業界誌が報じたところによると、フレッシュ&イージーがダンハンビーUSAとビジネスの可能性について協議しているのだそうです。


疼痛管理、DR 、アンダーソンサウスカロライナ州

ダンハンビーはテスコが84%を所有する子会社で、同社のロイヤルティマーケティング(LM)を支えている企業ですね。アメリカではクローガーと50:50でダンハンビーUSAを設立して、クローガーのLM戦略を成功に導きました。
いまはクローガーだけではなく、他社にもサービスの提供を開始しています。

昨年、このダンハンビーUSAの本社を訪問し業務について詳しく聞く機会がありました。ここには詳細は書きませんが、実にパワフルな企業でした。

フレッシュ&イージーのティム・メイソンCEOはテスコのLMをダンハンビーとともに成功させた立役者で、アメリカ進出時もメイソンが責任者だと言うことで、LMについてずいぶん言われたものでした。メイソンはすべて否定してました。

ところがここに来て考え方が変わってきたのかもしれませんね。

フレッシュ&イージーの一店舗当たりの売上高と、導入とランニングコストを考えると、店舗数が一定量に達しないとペイしません。その店舗数にそろそろ到達してきたということなのでしょうか。

ただあのモデルはEDLPだからこそというところがありますね。
LM入れると値下げ販促が増えて、作業コストが増大しますから、モデルが壊れる可能性がある。


ただし協議中のサービスがLMだとは断言していません。
ダンハンビーUSAのCEO、エドウィナ・ダンは業界誌の質問に対して、「LMかどうかをここで断言することはできない、社外秘だ」、とコメントしていて、ひょっとするとLMではない別の分野なのかもしれません。


課題は大株主で主要クライアントであるクローガー、フレッシュ&イージーとは傘下のラルフスが競合してますから、簡単に事が進むということはありえません。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:09 PM |

December 14, 2009

[フレッシュ&イージー] 目的は空白市場を埋めること

コンビニエンストア業界の業界誌がフレッシュ&イージーの店舗デザイン担当者とのインタビュー記事を掲載しています。

ポイントは以下の3つでしょうか。

◇アメリカの食品リテーラーはおおまかに、3,000sqf(85坪)~4,000sqf(113坪)のコンビニ、35,000sqf(986坪)~80,000sqf(2,254坪)のスーパーマーケット、120,000sqf(3,380坪)~200,000sqf(5,634坪)のスーパーセンターに分類できるが、4,000sqf(113坪)から35,000sqf(986坪)の間が空白となっている。このギャップを埋めることが目的である。

◇アルディ、トレーダージョーズ、ホールフーズの影響を受けた

◇店に面白みがないというお客の意見が多かったので、店内装飾やメッセージング二手を加えた。


3つ目は既知の事実ですね。
1つ目と2つ目は、そうだろうと周囲では言われていたものですが担当者のコメントとして見るのははじめてです。

日本でテスコを見たばかりなので、この企業の日米の戦略について何かと考えてしまいます。


なお記事のオリジナルはこちらです。参考までに。
Tesco Fresh & Easy Special Feature

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:45 PM |

December 10, 2009

[ダラーゼネラル] 第3四半期は絶好調、来年の出店数は600

ダラーゼネラルが第3四半期の業績を発表しました。売上高は12.7%増の29億3,000万ドル、最終利益高は昨年の730万ドルの赤字から7,560万ドルの黒字へ転換、既存店成長率は9.2%増で、絶好調を記録しています。

同時に来年の店舗プランを発表しているのですが、600店舗の新店と500店舗の改装またはリロケーションと、好調な決算数値を反映して非常に強気なプランです。


昨日のクローガーの決算と好対照なので取り上げました。
この業態、相変わらず調子が良い。
なぜ調子が良いのか、特に日本のチェーンストア企業はじっくりと考える必要があるでしょう。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:43 PM |

December 7, 2009

[フレッシュ&イージー] ロイヤルティプログラムを導入か?

ファイナンシャルタイムズ紙が報じたところによると、フレッシュ&イージーが店舗カードを利用するロイヤルティプログラムの導入を検討しているそうです。
ただ、記事として公開する以上かなり信憑性は高いと思うのですが、ニュースソースなどの記載がないので、どこまで本当なのかは不明です。

これがもし真実だとすると、2つの興味深い懸念が浮上します。

一つ目は、EDLPモデルを捨てることになること。リミテッドアソートメントストアとは異なる方向へ向かうことになるわけですが、それで成立するのかどうか。

二つ目は、テスコのロイヤルティプログラムを支えているダンハンビーの米国法人、ダンハンビーUSAはクローガーとの共同出資会社であり、クローガー傘下のラルフスとフレッシュ&イージーが競合しているため、ダンハンビーUSAを雇えない可能性があるということです。

フレッシュ&イージーのCEOティム・メイソンは、テスコのロイヤルティプログラムの成功に大きく寄与した経歴を持った人であるため、この話は当初から出ていたものです。
ただフレッシュ&イージーはやらないと言明してます。

どうなんでしょうね。
今後が楽しみです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:13 PM |

December 4, 2009

[フレッシュ&イージー] 配送センターを拡大、米国コミットメントに変化なし

フレッシュ&イージーが来年の夏までに配送センターの拡大工事に着手する予定であることを地元紙が報じました。最終的に、敷地88.4エーカーに建物面積200万スクェアフィートとなるそうです。

この拡大でキャパシティが、現在の235店舗から550店舗に増えると書いてあるのですが、実はアメリカ進出当時の資料で500店舗をカバーする配送センターを作ったと言っているんですね。

この食い違いは何だろうと悩むのですが、おそらく500店舗程度をカバーするキャパを想定したロケーションを当初から確保し、最初は200店舗程度として、店舗数の増大に合わせてキャパを増やすプランだったんじゃないかなと思うんですね。

まあいずれにしてもテスコによる投資は継続してまして、撤退する気はさらさらないようです。


<追記>
来週から日本出張となるため、エントリーが乱れる、または減るかもしれませんが、ご容赦くださいませ。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:09 PM |

December 2, 2009

[フレッシュ&イージー] 低いエネルギー消費量でエコをアピール

店舗の単位面積当たりのエネルギー消費量が業界標準よりも32%低いというニュースがリリースされました。年間の節約額は300万ドル。
平均的なスーパーマーケットよりも冷ケースの比率が30%ほど多いので、実質的には32%よりもさらに効率的な運営をしているということになるそうです。

ただしソフトウェア会社によるリリースなので、若干さっ引いて見る必要があるかもしれませんが。


フレッシュ&イージーはオープン当初からエコを全面に押し出してますね。
最初からマーケティングの一つの柱だったように思うのですが、環境意識が比較的高いカリフォルニアを主商圏としていること、エコに鈍い競合他社との差別化要因にしようとしていること、親会社のテスコがエコに力を入れていること、などなどいろんな理由が考えられます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:01 PM |

November 13, 2009

[ダラーゼネラル] 再上場で7億1600万ドルを調達

本日、ダラーゼネラルがニューヨーク証券取引所に再上場しまして、7億1,600万ドルを調達しました。公開時の株価は21ドルで、23.10ドルまで上げて、引け値は22.73ドル、8.2%の上昇ですから、まずまずといったところでしょう。

小売業界では、1995年のインティメイト・ブランド、1997年のアメリカストアズに次ぐ、規模の大きさの上場だそうです。


ダラーゼネラルは2007年にバイアウトされて非上場になった経緯があります。
KKRがダラーゼネラルを買収

買収したのはあの有名なコールバーグ・クラビス・ロバーツ、バイアウトのパイオニアですね。
最上場できたのでこのバイアウトは成功でした。

KKRはトイザラスも所有しているのですが、復調していて再上場は近いだろう言われてます。おそらくこちらも成功するんじゃないでしょうか。


金融がいまへたってますから、こういうニュースは悪くはないですよね。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 9:12 PM |

October 22, 2009

[スーパーバリュ] セブアロットの出店を強化、5年で2倍に

スーパーバリュが傘下のセブアロットを、これから5年間で2倍の2,400店舗に増やす予定であることを明らかにしました。WSJ紙がCEOクレイグ・ハーカートのコメントとして報じています。

ハーカートはセブアロットをunderperforming grocer's discount chain、と表現していて、ここからセブアロットの調子が悪いことが伺えます。
私はこのフォーマットに注目しているのですが、スーパーバリュは傘下のチェーンの業績をまったく公開しておらず、セブアロットがどうなのか全く分からない状況です。ただこの数年まったく店舗数が増えていないので、おそらく調子が悪いのではないかと推測していました。

セブアロットは、アルディやダラーゼネラルと本質が同じところにある業態で、景気が悪化したこの経済環境下において業績は良くなければならない。これが良くないということは、オペレーション上に問題を抱えているのだろうということがわかります。

私の仮説は、フード4レスと同じ落とし穴に落ちてしまったのではないかなと。最低所得層エリアにのみ出店する戦略を取っているのですが、これが店舗イメージを悪くしてしまっているように感じるんですね。

今後どう出店して行くのか、注目したいと思います。


ウォルマートがアナリスト向けのカンファレンスを開催しています。昨日新たな値下げ戦略の発表があったのですが、今日もカンファレンスは続いており、すべて終わったら資料をまとめてエントリーしたいと思っています。

昨日、ベントンビルにて、プロジェクトインパクトで改装されたばかりの本社前スーパーセンターと、ネイバーフッドマーケットの新プロトタイプを見てきました。非常に大きな変化があり、なるほどこうきたかとちょっと驚きました。
これから考えをまとめるつもりですが、これについてはチェーンストアエイジ誌の年末特集で書こうと思っています。

今日は雨のベントンビルからニューヨークに移動してきました。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:11 PM |

October 10, 2009

[ファミリーダラー] 2009年度も増収増益で堅調を持続

ファミリーダラーが第4四半期の業績と合わせて2009年度の決算を発表しました。決算期が8月なので年初を決算としている大多数の企業と数値にタイムラグがあります。
ちなみに8月決算としている大手企業は他に、コストコとウォルグリーンがあります。

売上高は74億ドルで前年比6%増、当期利益高は2億9,130万ドルで前年比25%増、既存店成長率は4%増でした。

ファミリーダラーの昨年度の決算は、売上高6.9%増、当期利益高24.5%増と好調だったのですが、既存店が0.9%増で、競合するダラーゼネラルの9.0%増と比べるかなり見劣りしていました。

この業態はいま全体として好調でして、この0.9%という数値は弱いなあと感じていて、実は今回の決算に注目していたんです。4%増ということで、ファミリーダラーにもやはりお客が来ているなということを確認できました。

来店頻度と客単価が増え、在庫管理も好調で、従業員の離職率も改善されている、とCEOのハワード・レビンはコメントしています。来店頻度は小売業としては最も重要なバロメーターですから、好調さを感じ取ることができます。


ちなみに景気が悪くなって他で職が見つかりづらいため、離職率はどこも改善されてるようですね。日本でも同じ現象が出ていると聞いています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 10:08 AM |

October 8, 2009

[フレッシュ&イージー] 今年も赤字予測、景気の回復に期待

テスコが中間決算(8月末)を発表しまして、その中でフレッシュ&イージーについて言及、今年の赤字予測が2億5,900万ドルであることを明らかにしました。

昨年度の赤字が2億ドルでしたので、これで累積は単純計算で4億5,900万ドルとなる勘定となります。

テスコCEOのリーヒーはこの発表の中で、「カリフォルニア、ネバダ、アリゾナの不況が長引いている中、フレッシュ&イージーは前進し続けていると思っている」と、ポジティブなコメントをしています。

またその後のメディアによる取材に対しては、「90年代のイギリスの景気後退時と一緒だ、あのときは北部に集中出店したが、ぜんぜんだめだった、だが景気が戻ったらすぐに業績は良くなった」と、イギリスでの経験に照らしています。

つまり、アメリカの景気が戻ればフレッシュ&イージーの業績も上がると踏んでいるわけですね。

フレッシュ&イージーは店内がどんどん変化しているのですが、その方向は賑わいを作ることにあります。当初かなり無機質だった店内もだいぶ変わりました。
装飾が増えたフレッシュ&イージー
このように冷蔵庫の上に装飾品を置きはじめたのは最近のことです。棚の上にも装飾が増えてます。


何回も書いていることですが、配送センターを作ることからこの企業の米国事業は始まっていて、店舗数がクリティカルマスを越えない限りどんなに頑張っても企業レベルでの黒字化は不可能なんです。
少なくとも300店舗ぐらいは必要だろうと思うので、いずれにしても採算に乗るのはまだまだ先のことではあります。


ちなみにイギリスの会計法や証券業界のコンプライアンスを私は知らないのですが、テスコのように子会社の赤字をきっちり報告するというのは、少なくともアメリカではあまりないです。
ウォルマートは海外事業について、国別に採算を明確にレポートしてません。スーパーバリュは別会社としているセブアロットについて売上高すら公表してません。

自発的にやっているとするならば、企業としての強さや自信に裏打ちされているわけで、テスコという企業の一端を垣間見るような思いがします。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 11:14 AM |

September 18, 2009

[フレッシュ&イージー] 初の大規模広告キャンペーンを開始

フレッシュ&イージーがはじめての大々的なメディアキャンペーンを始めました。使用メディアはラジオ、フリーウェイ上のビルボード、そしてバス停留所のサイン、となっています。

左の写真はフレッシュ&イージーが宣伝用に用意したイメージで、おそらく合成なのですが、こんな広告がこれからロサンゼルスのあちこちに登場するというわけです。

現在店舗数は125、この規模の広告キャンペーンを実施するに十分な店舗数に達したと判断したようです。
フレッシュ&イージーに対する評価はいまだ定まっておらず真っ二つですが、テスコのコミットメントはまだ継続しています。


投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:01 PM |

September 8, 2009

[フレッシュ&イージー] テスコのコミットメントに変化なし

赤字を計上し新規出店のペースは落としたけれど、北カリフォルニアへの進出プランについては変更なく投資を継続させ店舗を展開する。そんな記事をファイナンシャルタイムズが報じています。

ふと気になってサイトをチェックしたところ、確かにオープニング予定のマークが一杯ついています。目視では40ヶ所弱、レポートでは50ヶ所をすでに手当てしたとなっています。地図を見ると、サクラメントに店舗が密集してます。
また可能な限りリースではなく購入する戦略をとっているようで、これは価格が下がっている今買う方がベターと判断しているからでしょうね。

またストックトンに建設中の配送センターは、骨格部分の建築は終わったとあります。

オープニングについてはいまのところまったく公表されてませんが、この記事によると来年の夏頃をメドにしているようです。


最近ぐっとニュースが減ったフレッシュ&イージーですが、テスコのコミットメントはきっちりと継続しているようですね。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:33 PM |

August 28, 2009

[トレーダージョーズ] ブランドランキングで10位に

ランドーアソシエーツという大手のマーケティング企業がブランドランキングをリリースしました。タイトルはThe 2009 Breakaway Brands、2,500ブランドを対象に2005年から2008年にかけてブランドの強さが増した順にランキング、となってます。
メソロジーの詳細までは記されてなくて、またこういうランキングはよくあるのですが、興味を引いたのでエントリーしました。

1:アップル
2:グーグル
3:ハーゲンダーツ
4:ホールマーク
5:ナショナルジオグラフィック
6:ペイレス・シューソース
7:ペイパル
8:スペシャルK
9:スーパーボウル
10:トレーダージョーズ


目についたのはトレーダージョーズ、いまだ全米展開しているわけでもないグローサリーストアが10位にランクされるということはすごいことだと思うんですね。当然プライベートブランドがそのベースになっていると思うのですが、PBを土台として店舗そのものがブランドと認識されて、上位に食い込んでいるわけです。

日本のリージョナルクラスのスーパーマーケットで、このレベルのブランドパワーを持った小売企業は存在しません。

トレーダージョーズの価値を再認識しました。


投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:07 PM |

August 18, 2009

[ファイブビロウ] 成長に拍車がかかった新フォーマット

ファイブビロウは2002年創業の新興企業なのですが、東海岸を中心にすでに100店舗を越えていて、そろそろメジャーへの仲間入りの近さを伺わせている会社です。この成長企業がこれから2年間で店舗数を2倍にする計画を発表したようです。

簡単にそのコンセプトのおもしろさをまとめると2つ。

全商品が5ドル以下というマーチャンダイジング。上限プライスカットという戦略は昔からあるのですが、シングルプライスは存在するものの、これを前面に出す企業はいまは存在しません。あえていうと、昨年プライスラインを増やして全商品1ドル未満としている99セントオンリーストアだけです。

対象はティーンズとプレティーン。ティーンズを対象とした雑貨ニーズを埋めているチェーンストアは、これもあえて言えばアパレル専門店チェーンだけで、小商圏のディスカウントストア型では存在しません。

ということで、ニッチなのです、このフォーマット。

しかも、創業したのがゼイニーブレイニーという玩具チェーンの創業者で、チェーンストアオペレーションと資金調達のノウハウを持っている。


要注目企業のエンジンがかかってきたように思います。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:22 PM |

August 12, 2009

[99セントオンリーストア] 99セントの結婚式をプロモーション

昨日公表されたリリースによると。
「2009年9月9日に99セントで結婚式を挙げる人を募集、場所はビバリーヒルズ店舗、牧師が結婚式を執り行います。応募の締め切りは8/24」、とあります。

なんらかの手法で99をかけたプロモーションをしたり、99のありがとう、といった99を使った標語を使ったりと、この企業は数字を利用した宣伝を実施することで知られてます。またこれに軽いジョークを交えるのが特徴なんですね。

ただ結婚式には驚きました。

ジョークを楽しむ、でも予算のない人たちにはウケるのかもしれません。


さてこの99セントオンリーストア、業績が思わしくないテキサスを撤退するかどうか8月中に決定すると6月に発表していたのですが、撤退をやめて運営を続けることを先週明らかにしています。業績が上向き始めたのですね。

実は先週店舗視察で何度か99セントオンリーストアを訪問したのですが、ここ数年質が落ちていた店舗メンテの状況が格段に良くなっているのを感じました。業績が上向いているのは景気の後退で低価格業態に追い風が吹いているというのがもちろん最大の要因なのですが、現場が良くなっているのも理由のように感じました。

そしてこれは99セントに限らず、バリューディスカウントストア全体に言えるように思ってます。


投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:38 PM |

June 10, 2009

[99セントオンリーストア] テキサス撤退の決定を8月まで延期、08年度決算は黒字化

昨年9月にテキサス撤退を示唆し、その後業績が上向いてきたため撤退を延期していた同社ですが、8月初旬に撤退か否かを決めることを明らかにしました。現在テキサス州には34店舗あるのですが、既存店売上高が20%近く伸びているとのこと。

テキサスで苦戦している理由についてはこちらに書いてます。
テキサスから撤退

また08年度の決算は8.6%の増収に139.6%の増益、既存店成長率は3.7%でした。前年度は赤字決算だったので業績が戻っています。またテキサス撤退に関するコストを減損処理した上での黒字化のようなので、かなりよくなっているようです。

先週の2日にダラーゼネラルが非常に強い第1四半期決算を発表してまして、この業態はいまどの企業も調子が良い。99セントオンリーストアとしては巻き返しを図る好機といったところだと思います。


投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:00 PM |

May 12, 2009

[ダラーストア] 景気の悪化で高所得層のシェアがアップ

ニールセンの調査によると、高所得層によるダラーストアでの購買額が前年比で18%も伸びているそうです。
景気の悪化で、高所得層も買う業態をシフトさせていることをこの数値は示唆しているというわけです。
またダラーストアがアソートメントや店の雰囲気を改善して高所得層も来店しやすい環境を作り始めている点も理由としてありそうです。

ここで言う所得層は3分類。
低所得層:世帯年収3万ドル未満
中所得層:世帯年収3万ドル以上、10万ドル未満
高所得層:世帯年収10万ドル以上

そして売上に占める比率は、低所得層が45%、中所得層が47%、高所得層が8%となっています。
つまりこの8%の部分が急速に伸びているということですね。


おそらくここで言うダラーストアには、ダラーゼネラルとファミリーダラーが含まれていると思います。ただ双方ともにプライスラインは複数ありますので、店名にダラーがついてますが厳密にはダラーストアではありません。アメリカにはこのあたりにしっかりした業態名がないんですね。ダラーストアでひとくくりにしちゃうところがあります。

私はリミテッドアソートメントストアも含めて、いつもバリューディスカウントストアという名称を使っています。


投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:16 PM |

April 22, 2009

[フレッシュ&イージー] 昨年の赤字は2億ドル、出店は継続

イギリスのテスコが昨年度の業績を発表、その中でフレッシュ&イージーについてのおおまかな現状について言及しています。
売上高3億ドルに対して2億ドルの赤字、既存店成長率は30%、店舗数は119、となっています。

この数値を単純計算すると、1店舗あたりの年商は250万ドル。
すでに何回かエントリーしていますが、フレッシュ&イージーは店によっては損益分岐点を超えてるように思っています。ただ全店平均してこの数値だとやっぱりちょっときついですね。おそらくこの二倍は売らないと採算ベースには乗らないでしょう。

それと、当然のことながら配送センターを含む巨大なサプライチェーンも自社所有してますので、店舗数自体が一定レベルを超えないと企業全体でも採算ベースには乗りません。店舗数としてのクリティカルマスは、センターが500店舗をカバーすると言っているので最低でも250ぐらいは必要でしょう。

今年の出店ペースは2週間に1店舗と表現しているので、つまり26店舗です。このペースで250に達するにはあと5年は必要となってしまう。景気が上向いてきて出店ペースを早めたとしても、まだ2〜3年はかかるんじゃないでしょうか。

推測をベースとした非常におおざっぱな予測ですが、事業ベースでの黒字化はまだ先のことですね。


大恐慌は、コロラド州に影響を与える


ちなみにテスコの売上高は15%増の594億ポンド、最終利益高は1.9%増の21億6,000万ポンド、この規模からするとフレッシュ&イージー2億ドルの赤字はR&D予算として許容範囲ということになるでしょうから、失敗とか撤退を示唆する人も少なくないのですが、まだしばらくは我慢するんじゃないでしょうか。少なくとも景気が上向かないと、このフォーマットが本当にアメリカ人に受け入れられていないのかどうかが分かりませんから。


もう一つちなみに、テスコのCEOテリー・リーヒーは、回復と言うには早すぎるが景気は底を打った兆候があると言っています。グローバルに小売店舗を展開している企業の見方ですので参考に値すると思います。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:10 PM |

March 21, 2009

[アルディ] ビューティケアラインの投入

前々回に続いていアルディのネタです。
低価格帯のビューティケアラインを投入するとフロリダのローカル紙が報じました。
リップスティックが2ドル以下、クレンザーが2.99ドルなど、格安の価格帯でバーゲンショッパーを狙う。アルディは、ヨーロッパでは大成功しており、アメリカでもロレアルやオレイと競合するとコメントしてます。


これはよく考えると驚くべき戦略だなと思います。
アルディはグロサリーストアですからね。

日本にもリミテッドアソートメントストアを志向している企業は少なからず存在しますが、コスメで格安PBを開発しようという企業は皆無じゃないでしょうか。
大手メーカーにしても低価格帯ビューティ市場にはほぼ興味を示しません。でも実は大きな市場なんですよね。景気が悪化して先行き不透明となって、これから市場は拡大もすることでしょう。

アルディ、やはりすごい企業だと思います。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:26 PM |

March 19, 2009

[アルディ] 1,000店舗目を来週オープン

昨年中に1,000店舗目をオープンすると言っていたので、すっかりもう4桁超えているのかと思っていたのですが、実はまだだったようです。
コネチカット州のウェストヘブンという地域で、来週中に1,000店舗目をオープンするという発表がありました。

目立つことを嫌う企業であまり表面に出てこないのですが、着々と店舗を増やし続けてます。来年中にはダラスにも進出しますね。
要注目企業の筆頭だと個人的に思ってます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 8:20 PM |

February 24, 2009

[フレッシュ&イージー] CEOが戦略の誤りに言及

フレッシュ&イージーCEOのティム・メイソンとマーケティング担当役員のサイモン・ユウィンズがイギリスのタイムズ紙によるインタビューで、政策の間違えに言及しました。

アメリカや日本のメディアでは通り一遍な受け答えしかしない彼らですが、イギリスのメディアに対しては踏み込んだコメントをします。やっぱり本体のありますから適当に流せないということがあるでしょうし、メディアとの人間関係もあるんでしょうね。


主要なところを抜粋要約します。

「価格という泥臭いところにまで踏み込まなくても、フレッシュ&イージーというブランド要素の一部が機能すると仮定していたかもしれない。これが間違いだったのかもしれない」。

「(オープニングに先立って)アメリカ人の家にまで行って食品や買い物について聞き取り調査をした。キッチンやパントリーまで足を踏み込んだ。しかし、ガレージや地下室までは行かなかった。そこには大きなフリーザーがあって値下げで買いためした肉が冷凍保存してあったかもしれない」。

「アメリカ人のロイヤルティはイギリスよりも低い。イギリス人は理解するまで何回か繰り返し聞かねばならないだろうが、アメリカ人はキッチンテーブルの上おいてあるチラシやクーポンの価格プロモーション(たぶんチラシ)をチェックしてからどの店に行くかを決める」。


文脈からは、EDLP政策がうまく機能していない、お客にメッセージがきっちり伝わっていない、というような反省内容が読み取れます。


このコメント、個人的に興味深いので流通eニュースで少し掘り下げてみようかなと思ってます。


参考までに、右の写真は最近はじめた青果の98セントパック、シーズナリティでアソートを変えてます。安さと宝探し的なおもしろさを訴えるプログラムですね。こういうのをこれから増やしていく必要があるというわけです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:04 PM |

February 12, 2009

[ダラーゼネラル] 来期の新規出店予定は450店舗

ダラーゼネラルが2008年度決算の速報を発表しました。売上高は104億6,000万ドルで前年比10.1%増、
既存店成長率は9.0%増でした。速報なので最終利益等の詳細は3月末の発表を待たねばなりませんが、たぶん増益でしょう。

また来期の新規出店予定数は450店舗、改装またはリロケーション予定数は400店舗で、かなり強気の投資計画を立ててます。

参考までに現在の店舗数は8,362店舗。


増収率二桁もさることながら、9%という既存店成長率は図抜けています。
不採算店舗を多く抱えるなど数年前に業績が落ちて投資企業にバイアウトされ非公開となった同社ですが、再建成ったように見受けます。ウォルマート以上に強い追い風が吹いているんじゃないでしょうか。
再上場が近いかも知れません。

ちなみに競合のファミリーダラーは8月末決算でして、2008年度は売上高2.2%増、最終利益高4.0%減、既存店成長率1.2%増、でしたので、ダラーツリーの好決算が目立ちます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:10 PM |

January 15, 2009

[米アルディ] 09年度の新規出店数は75、初のニューヨーク出店も

米アルディが今年度に75店舗を出店する予定であることを明らかにしました。
昨年度は100店舗の出店で、これにはフロリダ商圏への初進出が含まれていましたが、今年度は既存商圏への出店のみ。そのかわり現在テキサスに配送センターを建設中で、来年の春にはダラス/フォートワース商圏に進出します。

テキサスはウォルマートの地元ですので、敵地へ乗り込むわけです。
ウォルマートはドイツでアルディに負けたようなものですから、なかなか興味深いですね、これは。

また今年中にニューヨークに店を出すようで、おかげでようやくこの地味な企業にメディアが気づいたようです。全国紙が大きく記事にしたりして、耳目を集めはじめています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:21 PM |

January 8, 2009

[ファミリーダラー] 第1四半期に好業績を維持、通期の見通しも上方修正

本日は12月の業績が発表されているのですが、すべて出そろって概観できるまで待ちますので、明日のネタとします。
昨日発表されたファミリーダラーの第1四半期の業績を今日は俎上に上げます。この会社は8月末期末で、11月29日までの第1四半期の決算がリリースされました。

売上高は4%増の17億5000万ドル、最終利益高は14.3%増の5190万ドル、既存店成長率は2.1%増で、多くの企業が業績が悪化している中でこの数値は相変わらず光ってます。ついでに1月3日までの5週間の結果は既存店成長率6%増で、さらに数値を上げています。
今年度の見通しも、当初の売上高3〜5%増を4〜6%へ、既存店成長率1〜3%を2〜4%へと上方修正しました。


今日発表されている12月の業績から好調なウォルマートだけ引き出すと、既存店成長率は1.7%増でしたので、ファミリーダラーはこれを上回っていることになります。


この業態、景気が良いときに大きく伸びるというわけにはにいきませんが、ビジネスモデルをきっちりと作り上げてしっかりとマネジメントえしていれば、景気が悪くても大きく落ちると言うことがないですね。
市場を三角形とみなして、低価格帯の下が広く、高価格帯の上が狭い、という図式を思い浮かべてみてください。下方を狙うビジネスは市場が大きい分ブレが少ないと言うことができます。

ちょっと論点がずれますが、これ、とくに日本のメーカーが見過ごしがちな視点だと思ってます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:11 PM |

November 20, 2008

[アメリカ小売業視察] プライスラインが変わった99セントオンリーストア

99セントオンリーストアが"99.99セントストア"に変わってました。

上限売価を99.99セントに変更

このエントリーで書いたように、一部の商品のみ価格をアップさせると言っていたのですが、どうやらすべて価格を上げたようです。
言ってることと、やってることが、違ってます・・・。

また、写真のように、売価が増えてました。

つまり、中心となるプライスラインが変わり、そして増えたわけで、99セントオンリーではなくなってしまった。

売価を増やした理由は、主軸が99.99セントとなって値上げ感が強まってしまったため、39.99セントや69.99セントといった低い価格を導入して、値上げ感を緩和しようとしているように感じます。


これから原価が下がってくることが予想されますが、またピュアな99セントに戻すのかどうか。それともこのまま行ってしまうのか。
興味深いところです。

 

 

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 8:19 PM |

November 19, 2008

[アメリカ流通視察] フレッシュ&イージーのオペレーション技術のバラツキ

本日訪問したフレッシュ&イージーでの一こまです。

欠品が目立ちました。
今までの訪問店舗数は結構な数になるのですが、欠品がここまで目立つ店舗に初めて遭遇しました。

自動発注も、欠品や在庫過多といったイレギュラーを修正する努力を怠ると、こうなるという好例です。

トイレも汚くなってました。
開店してわずか1年以内の店舗とは思えないレベル。


数日前に訪問した店舗はすごく繁盛していて活気があったのですが、こちらはお客もまばら。店員にやる気も感じませんでした。


ここに来て、店舗ごとのオペレーションレベルにようやく大きなバラツキが出てきているのを感じたのでした。

 

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:49 PM |

November 13, 2008

[R2Link] コンビニで薬を買ったことがありますか?

月刊マーチャンダイジング誌とのコラボレーション企画をR2リンクにて実施中です!

OTC(大衆薬・市販薬)販売の規制緩和で、コンビニで医薬品の一部を売ることができるようになりました。では、実際にコンビニで薬を買ったことがありますでしょうか?

R2リンクに設置中の投票ユニットにてアンケートにお答えください。皆さんのご意見が、そのまま誌面に反映されます。
あなたはコンビニで薬を買ったことがありますか?

結果は、月刊マーチャンダイジング誌2009年1月号に掲載されます。
締め切りは11/17です。

ご協力のほどお願い申し上げます!


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【追記】

昨日のエントリーにて、フレッシュ&イージーの出店ペースが想定通りで来年中には200店舗に達するだろうと書きましたが、来年の2月で200店舗という構想をもともと持っていたものを、来年の11月までに200店舗という目標設定に下方変更したと、昨日マーケティング担当のサイモン・ユーウィンズが業界誌に対してコメントしてました。
ということは、1年4ヶ月で200店舗を開店させる予定だったわけです。来年中に200店舗なのかと思ってました。
訂正いたします。

下方修正の理由は経済状態を上げているのですが、数ヶ月前に出店をしばらくやめたのも当然影響してるのでしょう。またフォーマットの修正をもっと加えなければならないと考えているのかもしれません。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:31 PM |

November 12, 2008

[フレッシュ&イージー] 100店舗目をオープン

フレッシュ&イージーが100店舗目をロサンゼルス郊外のフラトンに本日オープンさせました。
一号店の開業が昨年の11月8日でしたから、ほぼ一年間で100店舗を展開させたことになります。

参考までに昨年のオープニング時のエントリーです。
フレッシュ&イージー、グランドオープンに行ってきました

50店舗目は2月21日のことでした。
50店舗目をオープン

途中3ヶ月間ほど出店を止めた期間がありましたが、1年間で100店舗という出店数はほぼプラン通りなんじゃないでしょうか。また09年中に200店舗を目指すとしていたのですが、このペースだとクリアする可能性が高そうです。

ちなみに現在、南カリフォルニア49店舗、フェニックス26店舗、ラスベガス25店舗、となってまして、この店舗数の配分も恣意的で、予定通り、という感じがします。


今日はメディアを招いての内覧会があり行ってきたのですが、CEOのティム・メイソンがスピーチをし、テレビの生放送に店内から出演するなど、何もしなかった一号店のときと比べるとずいぶんメディアへの露出に積極的でした。
昨年は異常なほどに注目されていましたから、大変なのでメディア出演を断っていたのでしょうが、今回のオープニングは内外の注目を浴びるというほどのものでもなかったので、受けたのかもしれません。
また業績が良くなっているのかなとも思います。

写真はグランドオープニングの人混みと、スピーチをするティム・メイソンです。


ちなみに、インタビューなどすべての行事が終わった後、店内で店員やお客に声をかけ、レジでキャッシャーまでしてました。
現場主義テスコの面目躍如、こういう経営者がトップにいる企業は強いのですよ。


店内写真や動画はR2リンクにぼちぼちアップして行こうと思ってます。

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追記:参考までに、マーケットサイドの情報や記事はこちらです。
マーケットサイド メサ店

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:18 PM |

October 2, 2008

[フレッシュ&イージー] 9ヶ月間の赤字額は6000万ポンド

英テスコが半期の決算を発表、その中で米国事業であるフレッシュ&イージーの収支に言及しました。
11月初頭からの9ヶ月間で、売上高7600万ポンド(1億3400万ドル、141億2000万円)に対して、赤字が6000万ポンド(1億600万ドル、111億5000万円)、でした。
大きなインフラを作っている最中なので高経費であること、オープニングしたばかりで店舗が成熟してないこと、を赤字の理由として指摘しています。

特筆すべきは、CFOが来年中に損益分岐点を超えるだろうとコメントしている点にあります。

また単位面積あたりの平均週売上高にも言及している。1sqfあたり11ドルだそうです。
アメリカのスーパーマーケットの平均値が11.27ドルですので、ほぼ平均値あたりまで来ていることになる。

また売れている店は25ドルを超えている、春にオープンした店は平均13ドル程度になっている、ともコメントしてます。

フレッシュ&イージーの店舗面積を公称の1万sqf(280坪、930㎡)とすると、一店舗あたり年間平均570万ドルを売ることになります。日本円にすると6億円ぐらい。建築コストや人件費など僕には分からない数値が多いので正確ではないですが、おおよその試算だとたぶん年商5〜600万ドルを売れば損益分岐点は超えるのではないかと思ってます。

とすると、かなりいい線行っているように思う。
来年中に損益分岐点を超えるというのも、あながち大げさでもないのかもしれない。

米メディアにはネガティブなことを言う人がいまでもいるのですが、けっこう客が入っている店を見たり、店長やエリアマネージャーと話しをして得た情報をベースにすると、見方が皮相的なのではないかと感じてます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:33 PM |

September 18, 2008

[99セントオンリーストア] テキサスから撤退

99セントオンリーストアがアルバートソンズから配送センターを買収してテキサスに進出したのは5年前のことでした。以来、ずっと苦戦し、とうとう撤退を決めました。

撤退するテキサスの店舗数は48、328店舗中の15%を占めていますが、売り下高では10%を占めているに過ぎず、また一店舗あたり平均の半分程度しか売り上げておらず、既存店ベースでは成長してはいるもののROIを考えて撤退を決めた、としています。


この進出、アルバートソンズのDCを買収した時点ですでに無理がありました。自社物流構想を持つのはいいのですが、とりあえずは卸を活用し、一定レベルの売上高を各店舗が上げてから自社物流に切り替えても遅くはない。最初に無理をしてしまったのが、後々に響いた。

それと、ダラーゼネラル、ファミリーダラー、ダラーツリー、セブアロット等々、テキサスはバリューディスカウント企業がひしめいていて、そうそう簡単に入り込めるような市場ではない。こういう市場に、パイロットストアから入らずに、配送センターから入ってしまった、というわけです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:38 PM |

September 9, 2008

[99セント・オンリーストア] 上限売価を99.99セントに変更

99セント・オンリーストアとはロサンゼルスに本拠を置くシングルプライス型のバリューディスカウントストアです。この業態の大手はダラーツリーとこの企業の二社で、あとは中小のローカル小売企業のみというのがアメリカの状況です。
原料価格の高騰で原価がはねあがって困っていて、上限売価を上げるかもしれないというネタをここ数日LAタイムズが取り上げていたのですが、昨日、上限売価を99.99セントに変更することを公式に発表しました。

通常は内容量を変えるといった手法で、インフレでも微調整しながら売価を一つに維持していけるものなのですが、急激にあがっているため微調整が追いつかないというわけですね。

お客の反応を気にする向きもあるのですが、値上げする商品はかなり限定しているようですし、値上げ幅もわずか1セントですから、大きな影響はないでしょう。

またシングルプライス企業がマルチプライスに変わってゆくということは良くあることではあります。ダラーゼネラルもファミリーダラーももともとはシングルプライス型でしたが、長い社歴の中で売価を増やしてきた。社名がダラーでも、店内売価がたくさんあるのはそのためです。

シングルプライス型の起源はファイブ&ダイム、つまり5セントと10セントの店、でしたから、もともとはマルチプライスでもあったのです。


ただこうやってポリシーを一度緩めると、とめどがなくなるという懸念があります。それでなくても99セント・オンリーストアはここ数年業績が良くないですから、これを機会に売価をどんどん上げることで売り上げを上げようという本来のビジネスモデルに反する方向へ走ってしまう可能性を感じます。

シングルプライス型とはもともと重荷を背負ってます。既存店を成長させるために、客数と買い上げ点数を上げるという2つの手段しかなく、売価を上げるというもう1つの手段が使えないわけです。ハンデを負っているわけですが、その分ビジネスモデルがユニークとなってお客の支持を得ている。

ここで安きに流れると、コアコンピタンスがぶれて行ってしまうリスクが高まるように思います。


ダラーツリーは業績悪くないですしね。
この売価政策の変更を、急激なインフレだけに理由を求めるのはちょっと無理があるかもしれません。


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追記:NYタイムズが米アルディを取り上げてます。The Allure of Plain Vanilla。アメリカでもほとんど知られて来なかった企業ですが、ようやくマスコミが気づいたようです。近い将来、西海岸に店を出すことになると思うのですが、そのときにはたぶんもっと大きく騒がれることでしょう。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:35 PM |

August 29, 2008

[米アルディ] 9月にフロリダに出店、年内に店舗数4桁突破

業界誌の質問に幹部が答えたものです。9月にフロリダ州に初進出し、年末までに当初の予定通りに店舗数が4桁を超えるそうです。
またテキサス州での配送センターの建設を5月に発表していますが、来年中には1号店がオープンするようです。

今年は新プロトタイプを開発してまして、たぶんこれでフロリダに攻め込むようです。

景気悪化という逆風を追い風にしている企業がここにもいます。


ちなみに昨年度の数値によると、南アルディ傘下のアルディ、北アルディ傘下のトレーダージョーズを合算すると、マイヤーを抜き、ウィインディキシーに次いで、米スーパーマーケット業界11位となります。たぶん今年中にはウィンディキシーを抜き、A&Pに肉薄し始めることでしょう。

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追記:フリーザーの売れ個数が昨年対比で7.1%伸びているという調査結果が出ました。ここで言うフリーザーとは冷蔵庫に入っているよくあるやつとはことなり、独立タイプのことです。フリーザーを除くアプライアンス分野が8%落ちているので、極めて特徴的なトレンドである、と説明してます。これはつまり、冷凍食品の買いだめのためです。値下げ時に買いだめし、訪問頻度を減らしてガソリン代を節約する。なんと、全米世帯の半分がフリーザーを持っている計算なのだそうです。
実はアルディもトレーダージョーズも冷凍食品の品揃えはすごくいいんです。作業コストがかかりませんし、価格が安いですから、この業態にはぴったりマッチする。
このトレンド、日本でもこれから強まると私は考えてるんですが、どうでしょう。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:58 PM |

August 27, 2008

[ビッグロッツ] 増収増益の好決算、景気悪化時に強いバリューディスカウンター


昨日は、Jクルーやアメリカンイーグル・アウトフィッターズなど第2四半期の業績悪化というニュースが多かったのですが、あまり目立たないところで増収増益を記録している企業がありました。ビッグロッツです。知らない人も多いと思うので、ちょっとだけ載せておきます。

第2四半期の決算は、売上高1.9%増、最終利益高11.3%増の増収増益で、既存店成長率は2.8%増でした。半期では、売上高2.0%増に最終利益高16.1%。調子が良いです。
今年下半期の予測も、既存店成長率1~2%増と、プラス成長を予測してます。

この企業はバリューディスカウントストアという業態に属します。マーチャンダイジングはすべてクローズアウト。クローズアウトとは在庫過多やB級、返品など、通常のサプライチェーンからはじかれてくる商品の総称で、これを集荷して販売するわけです。
1,355店舗を展開する上場企業、こういう上場企業が存在するところがアメリカのおもしろさですよね。

この企業が調子が良いというのも、いまの経済環境を良くあらわしているなあと。ウォルマートの好調と根っこのところは一緒かなと思ってます。

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追記:25日の日記について思ったこと。好況時はターゲットが好調でウォルマートは調子を落とし、景気悪化時にはターゲットが調子を落としてウォルマートが好調。同じDS業態だけど、こうも違うというところが、両社の特徴を良くあらわしています。同じように上下するということは差別化ができていないということですからね。日本の大手小売企業がほとんど同じように推移するということは、同じようなことをやっているに過ぎないということなのですよ。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:52 PM |

August 25, 2008

[ターゲット] 増収減益で来年の新規出店ペースを減速

先週の19日にターゲットが第2四半期の決算を発表したのですが、売上高5.6%増、最終利益7.6%減の増収減益でした。既存店成長率は0.4%減。半期でも5.3%増の7.5%減で増収減益となり、業績の悪化が鮮明となってきています。
この業績の悪化から、来年の出店ペースを90〜95店から、70〜75店へとスローダウンするとしています。

その前の週にウォルマートも第2四半期の決算を発表しているのですが、売上高10.4%増、最終利益高16.8%増、既存店成長率4.5%増で、絶好調。半期でも売上高10.3%増、最終利益高12.0%増、既存店成長率3.7%です。

ここ数年ターゲットが絶好調で、ウォルマートが徐々に勢いを失う、という図式が定着していたのですが、ここにきて完全に形勢が逆転された感があります。好景気時に強いターゲットと、不況に強いウォルマート、といったところでしょうか。


さてこのターゲットですが、対策として'Expect More. Pay Less.' のPay Lessサイドに焦点を当てるとしています。ウォンツとニーズの、ニーズを強化する。ただそうすると荒利益が犠牲になる可能性が強い。
楽観はできないでしょう。
ターゲットがどう巻き返すのかは注目に値すると思ってます。

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追記:先週一週間研修コーディネートで店を見てまわったのですが、ウォルマートとターゲットの店舗の完成度は相変わらず高かったです。また、フレッシュ&イージーは2店舗ほど視察しましたが、けっこうお客が入っていて、お店によるとは思うのですが、徐々に起動に乗りはじめている印象を持ちました。テスコはやっぱりあなどれませんね。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:47 PM |

August 15, 2008

[フレッシュ&イージー] シカゴでロケハンを開始

シカゴの地元紙が報じました。店舗および配送センターの物色を開始したそうです。
次はシカゴだろうと業界では噂されていたのですが、日のないところに煙は立たなかったようです。

シカゴにはトレーダージョーズが出ています。西海岸と似たような商圏なんですね。ただアルディ本体も店を増やしていて、競合は激しくなりそう。

ジューエル・オスコが小型フォーマットを開発
これもたぶん、フレッシュ&イージー進出を見込んでのことだったのでしょう。


まだ黒字化したという話は一切聞いてないんですが、それでも拡大し続けるというのは、ものすごい自信です。ぜったいに損益分岐点は超えるという非常に強い意志がリーダーにあるのでしょう。


ちなみにちなみにふと気づいたら71店舗にまで増えていました。
また先月の人員募集に対する応募が1万人を超えたというニュースも出ています。


追記:我が家のそばにあったファミマUSAはひっそりと撤退したようです。現在13店舗。昨年の赤字が6億8600万円、今年の第1四半期で4億9200万円の赤字を出しているという資料が手元にあります。2010年までに50店舗を出す予定なのだそうですが、増えずに減ってます。
フレッシュ&イージーの店舗をつぶさに観察して分かったのは、店舗ブランディングを意識して詳細にいたるまでこだわって作っているということ。その細かさにおもわず脱帽しました。ファミマにもそうあてほしいなと思ってます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:36 PM |

July 22, 2008

[フレッシュ&イージー] 酒販売に規制の可能性

カリフォルニア州議員がセルフレジ方式での酒販売に規制を加える法案を提出しました。もし規制が成立すると、セルフレジでのお酒の販売ができなくなる。現在カリフォルニアでは酒を売る際に身分証明書による年齢の確認を義務付けているのですが、セルフレジではこれができないため規制する、というわけです。

たぶんこれでもっとも影響を被るのは、フルサービスのレジがないフレッシュ&イージーです。同社の説明だと、誰かが酒をセルフレジでスキャンするとブザーが鳴り、担当者が年齢を確認するシステムになっていて、問題はまったくないはず、とのこと。

法案を提出した議員は、特定企業を狙い撃ちしたものではないと言っているのですが、明らかにフレッシュ&イージーを意識したものだと思います。食品労働組合がバックアップしている可能性もあるでしょう。組合結成を拒否している同社に対する反発は小さいものではないですから。


フレッシュ&イージーの酒売場は小さなフォーマットとしては相対的に大きく、お酒がアソートメントに重要な位置を占めていることは間違いない。これが売れなくなるということはけっこう大きなダメージになりそうで、この件の今後の行方は注目に値するでしょう。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 6:00 PM |

July 8, 2008

[フレッシュ&イージー] 新規出店を再開

4月から新規出店をいったんストップしていたフレッシュ&イージーが出店を再開しました。7月2日にロサンゼルスのマンハッタンビーチという地域に3ヶ月ぶりに新店をオープンさせました。

遅ればせながら行ってきました。
フレッシュ&イージーの出店戦略はおそらく物流効率を考えてのもではなく、いろんなシチュエーションに出店させて実験しているものと思っています。高所得層、中所得層、低所得層、居抜き、郊外、ドラッグストアとのNSC、フリースタンディング、etc.。

今回の店舗は、隣のショッピングセンターにトレーダジョーズが入っていて角付きあって競合、また隣がオフィスデポというディスカウントストアとのパートナリングで、なかなかユニークな立地です。また近隣に、ブリストルファームという、スペシャリティ型のスーパーマーケットも存在する。

たぶん、厳しい競合環境にある場合、どうなるのかを測っているのでしょうね。

ちなみにここはよく視察で来る場所なのですが、フレッシュ&イージーがあった場所にどういう店舗が入っていたのか記憶がありません。


さてこのバージョンアップ版、旧型との違いは、賑わいを作っている点にあります。

一番目立つのは、店の前で単品を山積みして訴求している点ですね。これはたぶん手がかかるからだと思うのですが、今までやってませんでした。
また店内の壁面にメッセージを大きな文字で書いてある。これはこの店からというわけではなく、すでに他店舗でも採用されてます。今までは無地のさらっとした壁面だけでした。
賞味切れが近いパンを、Today's Specialと称してワゴンで割り引いていたのも印象的でした。このフォーマット、廃棄ロスのコントロールはたぶん死命を制すると思ってます。


実はこのフォーマットの弱点は、さらりとしすぎて面白みにかける点にあると思っていました。作業効率を徹底的に追求した結果か、無機質で、食品を売るときに欠かせない賑わいがゼロに等しかった。これを今回から修正かけたということなのでしょう。


月曜日のランチタイムに行ったのですが、お客さん、けっこう入ってました。
入手した資料からの推測ですが、損益分岐点を越えている店もあるんじゃないかと思ってます。私の直感に過ぎませんが、フレッシュ&イージー、徐々にいい方向に向かいつつあるんじゃないでしょうか。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 10:15 AM |

June 19, 2008

[フレッシュ&イージー] 価格戦略を修正

完全EDLPだったフレッシュ&イージーですが、最近店舗に行くと値下げ商品があり、ひょっとしたら価格戦略を変えたのかなと思っていたら、やはりそうでした。CEOのティム・メイソンが記者の質問にコメントしています。

"スタート当初はハイローはまったくやっていなかったが、アメリカでの知名度がないため消費者が安いという価格イメージを持っていないということが分かった"

現在は30アイテムぐらいを定期的に下げているそうです。
最近店頭で入手したチラシによると、下げているは57アイテム中の8アイテムでした。その8アイテム中にNBは5アイテム、PBの3アイテムは精肉、鮮魚、パックサラダでした。

チラシ配布の期間が2週間ですから、プロモーション価格も2週間と、普通のSMの1週間に比べると長い。

少アイテム数に長めの期間ですから、典型的なハイローではなくて、依然EDLPをベースにしていると考えて問題はありません。


またNBを中心に下げてお客を誘引するという手法は、セブアロットがやってます。

基本はEDLPなんだけど、一部の商品について限定的にハイローやるというのは、ウォルマートだけではなく、バリューDSにもよくあるやりかたです。


ちなみに店頭で値下げしていることに気づいたときの写真はこちらです。ご参考までに。
フレッシュ&イージーの価格戦略

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 8:03 AM |

June 17, 2008

[フレッシュ&イージー] 版図拡大を示唆

米国事業の責任者ティム・メイソンが、現在集中的に店舗を増やしている西海岸から、出店地域を拡大してゆく可能性を示唆しました。全国紙のインタビューに対して答えたものです。

3月にテスコのタイ事業の責任者ジェフ・アダムスが米国事業のCOOとして異動しましたが、長期的には彼をアメリカの他地域の運営を完全に任せることを目的としているとコメントしてます。アメリカは非常に大きな国なので、他地域に進出する場合すぐに運営責任者が必要となる、だから彼を若干早めに異動させた、その時期は確約できないが、2012年までには実現するとしている。


多店舗可能な儲かるフォーマットに改善できることを前提とし、長期的視点から動いているというわけです。
このコメントを聞いてあのフォーマットが損益分岐点を越えたと短絡することはできないのですが、現時点ですでに版図の拡大を視野に入れているというのはいかにもテスコらしいんじゃないでしょうか。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:32 PM |

May 20, 2008

[フレッシュ&イージー] プライベートブランドを250アイテム追加

フレッシュ&イージーがプライベートブランドを250アイテム追加すると発表しました。
惣菜、ジュース、紅茶、大豆、ゴートヨーグルト、肉、といったアイテムだそうです。

アイテム数で50%、売り上げ比率で75%、これが同社が公表しているPB比率なのですが、さらに増やそうとしているというわけですね。

それと、店内のサイン等のカラースキームを若干変え、明るい色をプラスするようです。現在研修のコーディネートで店舗視察の真っ最中なので、これについては確認しようと思っています。考えてみると、店内は非常にすっきりしているのですが、若干冷たい感じのする雰囲気だったので、これは正しいかもしれませんね。


そういえば、先日フレッシュ&イージーでクロワッサンを買ったことを記事にしましたね。クロワッサンは味に差が良く出る商材であるため、比較するときによく買いますし、お店の技を判断するときの材料によくします。

で、フレッシュ&イージーのクロワッサンは、決しておいしくはないけどまあまあで、価格を考えるとお値打ちでした。ちょうど同時にボンズのクロワッサンを買ったのですが、こちらは正直言っておいしくなくて、価格はフレッシュ&イージーより高かった。


ピンポイントな比較ですが、フレッシュ&イージー、悪くない印象でした。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:15 AM |

April 17, 2008

[フレッシュ&イージー] 1億ポンドの赤字予測と150店舗の出店

テスコが本国で昨年度の業績を発表、付随してフレッシュ&イージーについての情報が出てきています。

昨年度の赤字が6500万ポンド、今年の赤字予測が1億ポンド、だそうです。今の為替レートが1ポンドが204円として、一年で2000億円以上の赤字を予測していることになります。
今年の出店は150店舗だそう。


フレッシュ&イージーについてはほんとうに賛否両論で、いろんな意見が噴出しているのですが、基本的にメディアは否定的な見解が多いように見受けます。お客が入っておらず、当初の目論見を下回っていることはどう見ても確実で、まあ普通に考えたら否定的にならざるを得ない。

昨日研修コーディネート中に再訪しましたが、実際入ってないです。
でも、まだオープンして半年ですからねえ。成否をここで判断するのは時期尚早でしょう。


ちなみに昨日は試してみようと思い、PBを二つ買ってきました。クロワッサンと紅茶(アールグレー)。
普通のスーパーマーケットとの価格比較やテイストした感想は、R2リンクに近いうちに書こうと思います。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:17 PM |

April 14, 2008

[ダラーゼネラル] インストアTVを導入

全店舗にブロードキャスト型のインストアTVを導入している企業としてはウォルマートが有名ですが、これをダラーゼネラルが導入するそうです。まず500店舗に入れて、9月までには4,200店舗に導入する。
名称はDGTV、レジに近いエンドの上に、37インチのプラズマTVを設置するとしています。

ベンダー名はスマートピック、販促コマーシャルを作成して流す予定で、クラフト、P&G、レキット・ベンカイザーなど、スポンサーがすでに名乗りを上げているそうです。


このダラーゼネラルによるインストアTV、効果のほどはかなり怪しいように思います。ダラーゼネラルに来るお客が、店頭でプロモーションTVを見て、衝動買いするのかどうか。予算があまりない客層ですから、いまひとつしっくり来ない印象ですね。

その前に、インストアTV自体に直接的な効果があるのかどうかがよく分からない。
各メーカーがそれぞれ店舗にモニターを持参してバラバラにCMを流して統一感を失っている日本よりも、集中管理してブロードキャストする方がよほどましだとは思いますが。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:00 AM |

March 31, 2008

[フレッシュ&イージー] 3ヶ月間出店をストップ

フレッシュ&イージーの店舗数は現時点で59となりましたが、出店を3ヶ月間止めて、修正をかけることがわかりました。

「わずか4ヶ月間で店舗数はゼロから59となり、9ヶ月間でプロジェクトチームの人員数は200人から2,500人に急増、これからの9ヶ月間で5,000人となる」

なぜ出店を3ヶ月間休止するのか?

英語をそのまま載せると・・・

Quite simply, to allow the business we've created to settle down


まあ要するに、急速に膨張した組織を落ち着かせるため、ということになりますかね。

この3ヶ月間のモラトリアムが何を意味するのか論議を呼んでいるのですが、いま結論を出だすのは早すぎるでしょう。
どう修正をかけてくるのか、楽しみにしたいと思います。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:34 PM |

March 30, 2008

[ダラーゼネラル] 既存店強化に戦略転換

投資企業のKKRにバイアウトされたダラーゼネラルが政策を発表しました。成長を急ぎすぎていたことを認め、既存店の活性化に注力することが主戦略となっています。

▼新店オープンのペースを落とす
▼PBの開発
▼価格戦略とMD戦略のシェイプアップ
▼より強いブランドイメージの確立と一貫した買い物環境

この4つを長期的なプライオリティとする。
また08年年度は新店のオープニングを200に落とし、そのかわり400店舗を改装する。
ちなみに07年度は売上高95億ドルに対して、1280万ドルの赤字でした。


このバリューディスカウンターという業態は、本来儲かるフォーマットです。ファミリーダラー、アルディ、トレーダージョーズ等々、もれなく非常に高いROIを誇っている。ダラーゼネラルのつまづきはフォーマット問題ではなく、この企業が持つ固有の経営問題でして、ですから手綱さえしっかりすれば、容易に復活すると思ってます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:16 PM |

March 24, 2008

「テスコ、目標見達の米国事業と、大量出店に踏み切る?日本事業」Vol.12,No.13

アメリカ流通eニュース

 フレッシュ&イージーの店舗数が2月末の時点で50店舗を超えた。11月8日に4店舗をオープンさせ、以来およそ3ヶ月間で50店舗を超えたわけである。このスピードは既定路線で分かっていたことではあるのだが、実際に目にすると巨大資本のパワーと言うものを実感せざるを得ない。
 サクラメント近郊に配送センター用の土地を手当てし、北カリフォルニアへの出店を開始することもすでに明らかとなっていて、350店舗構想へ向けて着々と手を打っている。シカゴへの進出も噂されていて、版図の拡大もはじまりそうだ。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:47 PM |

March 17, 2008

[テスコ] 日米で人事異動

まずアメリカから。タイのテスコロータスのCEO、ジェフ・アダムスが米国事業のCOOとして異動する。CEOティム・メイソンは留任。アダムスはもとウォルマートの幹部だったそうです。

この異動に伴い、当初の目標に達していないと憶測されている米国事業ついての懸念が噴出するだろう、というのが報じているイギリスの新聞の論調のようです。

アメリカ人を経営陣にもってきたということは、やはりうまくいっていないんだろうなという予測は立ちますが、アメリカ生まれの元ウォルマート幹部がタイで責任者を務めていて、そういう人物を投入できるという点に、テスコの人材パイプの太さのようなものを私は感じたのでした。

懸念うんぬんは、時期尚早、なんじゃないでしょうかね。テスコ自身も、そう簡単に儲かるなんて、はなから考えていなかったはずですし。


次に日本。ビジネスデベロップメント担当ディレクターのマイケル・フレミングがテスコジャパンのCEOとして赴任する。紙面では、テスコエキスプレスの利益の出るフォーマットへの調整が終わり、これから150店舗を出店してゆく予定だ、としてます。またイギリスからの輸入PBを増やす模様。

日本は既存の採算の取れている企業を買収しての進出でしたから、言ってみれば別フォーマットの開発のようなもので、アメリカのようにゼロから作ってゆくのとは単純比較できません。うまくいって当たり前とも言えるし、しかしウォルマートと比較すると着々と地盤を気づいているように見える外資としてのテスコはやはりたいしたものかもしれないな、とも感じます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:32 PM |

December 17, 2007

[米アルディ] 来年中に店舗数は4桁へ


米アルディが、来年1年間でカンザス州への進出を含む100店舗という積極的な出店プランを明らかにしています。毎年70~100店舗をオープンさせる出店戦略を持っていて、来年のプランもその一環です。

買収ではなくすべて自前の予定。いま900店舗なので来年中には4桁になるとのこと。

右下の検索窓で検索していただくと分かりますが、当ブログでは何回かアルディを取り上げていまして、来年の100店舗プランも10月末に書いてます。今回はその確認ということになります。

日本の業界誌ではほとんどネタにもならないアルディですが、私はずっと注目してます。今年はベントンビルの店舗を見てきましたが、ビジネスモデルを再確認できて感動しました。

同社傘下のトレーダージョーズやセブアロットといったバリューDSを徹底的に研究すればするほど、このフォーマットには魅入られていきます。フレッシュ&イージーもアルディを含むバリューDSの本質的な部分を理解していないと分からないでしょう、たぶん。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:20 PM |

October 23, 2007

【トレーダージョーズ】 中国産の成分を含む商品を中止

トレーダージョーズが中国産の成分を含む商品のマーチャンダイジングをやめるようです。中国産商品は安全だと考えているが、消費者の信頼が落ちているためやむをえない、というスタンスです。'お客が要望するからしかたない'ということですね。
複数の成分が混ざっていて産地を特定できないものについては、その限りではない、としています。

トレーダージョーズは全商品の8割ぐらいがプライベートブランドですから、自社開発商品に中国産成分を入れないということを意味しています。
完全チャイナフリーを宣言した小売企業は、このトレーダージョーズが最初じゃないでしょうか。取り扱い品目数が少ないですし、PBがほとんどだから、可能なんでしょうね。


そう言えば先日、ウォルグリーンの店長に、歳末用商戦用に仕入れる玩具等の商品に中国産が多いと思うがどう考えているかと質問したのですが、あまり気にしてない、という返事が返ってきました。

温度差がかなりあるようです。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:34 PM |

October 9, 2007

アルディ、来年は100店舗の出店予定

「15年前は確かにBクラスの物件にしか出店できませんでした。しかしここ数年Aクラスへの出店が増えてます。どんな収入層もお金を節約したいものなのです」。
アルディの店舗営業役員による地元紙のインタビューへの答えを意訳しました。

つまり、今までは低所得層向きのエリアにしか出店できなかったが、いまはそういうわけでもなくなってきた、ということを言いたいわけです。
お金をジャブジャブ使っても使い切れないような人たちと、一生懸命働き節約して金持ちになった人たちと、金持ちにも2種類あります。後者は、コモディティに関しては無駄なお金はびた一文も使いたくないという人たちでして、実はウォルマートやダラーツリーを結構利用しているということが知られてます。
当たり前の話ですが、倹約好きだから、お金が溜まるわけです。

ちなみにウォルマートはそういうコモディティだけを買いに来る人たちにウォンツ商品も売りたいのですが、なかなかうまく行ってません。


このアルディ。
今年は65店舗、来年は100店舗をオープンさせるそう。

こんなエントリーをしたのが7月のこと。
実は巨大な成長企業アルディ

マスコミ嫌いなので実情が一切分からないのですが、こういう断片的なニュースを拾い続けると、業績けっこういいんだなということが分かってきます。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:22 PM |

March 13, 2007

KKRがダラーゼネラルを買収

ダラーゼネラルがKKRに買収され非上場となることが発表されました。買収総額は約73億ドルと、金額ベースでは04年のKマートによるシアーズ買収115億ドル、昨年のアルバートソンズ112.6億ドルには及ばないものの、05年のトイザラス66億ドルを上回る大きなバイアウトです。

本件、来週発行のメルマガに書くつもりなので詳細は省きます。

ダラーゼネラルはあまり俎上に上げることのない企業なので簡単に説明すると・・・小売業ランクでは36位、バリューDSという業態では1位、店舗数は現在8000店舗強、というサイズです。
私はバリューDSという言葉を使っていますが、日本ではバラエティストアという表現を使う人もいます。小商圏型のよろずやですね。
価格政策はEDLPなのですが、ロールバックのような期間限定の値下げがなく、しかもチラシも年間数回しか発行しませんので、ウォルマート以上のEDLP企業です。

05年度の年間出店数は734店舗、急成長している企業でして、10%を超える増収増益を続けているのですが、この急成長の反動が出始めているんですね。
つまり成長の大半が新規出店に支えられていて、一方既存店成長率がここ数年落ちてきていて、既存店のてこ入れが急務となっているんです。
在庫マネジメント、レイバー管理など、いろいろなイニシアチブを打ち出してきているんですが、昨年11月に300店舗の店舗改修と400店舗の閉鎖を決め、ようやくスクラップに手をつけ始めたといったところでした。

しかし、KKRの目のつけどころは凄いです。言われて納得、ダラーゼネラルはバイアウトする条件が整っていて、気づかなかった不明を恥じています。
営業キャッシュフローは潤沢で問題なし、不採算店舗の整理を加速し、財務内容を整えれば、再上場は可能でしょう。

KKR、英ブーツにも買収しかけてますし、オーストラリアではコールズ・マイヤーを視野に入れている。目を離せませんね。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:42 PM |

December 1, 2006

400閉鎖し300作るダラーゼネラルのダイナミズム

バリューDSのダラーゼネラルが、来年は400店舗を閉鎖し300店舗を開店するという、店舗開発プランを発表しました。
現在若干業績を落としていまして、そのためスクラップの方が多い店舗プランとなっているわけですが、いずれにしても、400店舗をつぶして、300店舗を増やすという店舗プランは、我々日本人が持っている常識的な数値感覚を軽々と超えてしまってますね。

この企業、現在の総店舗数は8,276店舗で、フランチャイジングではなく直営という観点からは世界最大の店舗数を誇っているチェーンストア企業です。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:51 PM |

March 1, 2006

ダラーゼネラルが8,000店舗目をオープン

バリューディスカウンター(またはバラエティストアやダラーストア)のダラーゼネラルが、2月27日に8,000店舗目をオープンしました。

すべて直営です。たしか総店舗数ではカルフールが世界一だったと思うのですが、フランチャイズを含んだ数値でして、直営店舗の数の多さではダラーゼネラルが一番だと思います。

年間に400店舗近く出店してまして、つまり一日に一店舗以上開店し続けているわけです。
バリューDSはいま何かと注目を浴びている業態ですが、業態論以外に、これだけの店舗を管理するオペレーションに私は興味を持っています。

投稿者: 鈴木敏仁 日時: 7:36 AM |



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