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April 11, 2012
[フレッシュ&イージー] 機関投資家が米国ビジネスを批判
英テスコの機関投資家が最近の業績悪化に対して英国の新聞で批判的な記事(またはコメント)を載せ、その中で米国事業、つまりフレッシュ&イージーの撤退を要求しているようです。
テスコの実力や店舗を実際に見た感覚としてはフレッシュ&イージーを簡単にスクラップするとは思えないのですが、しかし株主からのプレシャーで撤退を決断するということはあり得るのかもしれませんね。
例えばカルフールの日本撤退のきっかけは本体が業績を落としたからでした。
イギリスの投資家もかなりアメリカ的で短期的な利益を要求する傾向が強いようです。今までの投資額や想定される累積赤字を勘案するとフレッシュ&イージーが英国本体に利益貢献するには確かにかなりの時間を要するだろうと思うのですが、投資家は待たずに早くやめろというわけで、それが果たして正しいのかどうかと言うと難しいところです。
長期的な視点でじっくりと育てる価値のある事業もありますからね。
上場企業のジレンマです。
ついでながらこれについてアメリカのメディアが書いているのですが、相変わらずの賛否両論で、引き続き評価の安定しないフォーマットです。
<追記>
昨日のベストバイのCEO辞任のニュース、続報ではブライアン・ダンの仕事とは関係のない"個人的な行為"に問題が浮上して取締役会が調査を開始し、その結果が出る前に辞任したということなのだそうです。
個人的な行為とは、普通は女か金、ですよね。
"賞賛できる身の引き方"ではなかったようです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:02 PM |
March 30, 2012
[ダラーゼネラル] 一万店舗目をオープン
年内にも10,000店舗を突破する予定だったダラーゼネラルですが、本日新店がオープンして予定通り5桁の大台に乗せました。
場所はカリフォルニア州のメルセド、中央カリフォルニアに位置する穀倉地帯ですね。
フォーマットは通常タイプではなく大型のダラーゼネラルマーケットでした。
同社は西海岸進出にあわせて配送センターもオープンさせるそうで(場所はベーカーズフィールド)、ということはおそらく300~500店舗レベルで店舗の投入を考えていることを意味します。ダラーゼネラルの看板がこのロサンゼルスに増殖する日もそう遠くはなさそうです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:00 PM |
March 26, 2012
[ダラーゼネラル] 二桁の増収増益を記録
ダラーゼネラルが2011年度の第4四半期と通年の決算を発表したのですが、相変わらずの絶好調です。
売上高は148億718万ドルで前年比13.6%増、最終利益高は7億6,669万ドルで22.1%増、既存店成長率は6.0%増でした。
2/3時点での総店舗数は9,937店舗、2011年度の新規出店数は625店舗。
ダラーゼネラルが再生して再び快進撃を始めたのは、再上場した2009年の頃からだと思います。
つまり前年が悪かったから数値が良くなったと言うわけでも無く、ただ単純に調子が良くてその結果が数値に表れているというわけですね。
150億ドルという年商規模で成長率が年率10%を超えるというのは、やはり凄いことだと思います。
このコメントは何度も書いているような気がするのですが、ダラーゼネラルの勢いはまだしばらく止まりそうにありません。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:23 PM |
March 7, 2012
[フレッシュ&イージー] 年内の損益分岐点超えを明言
テスコのCEOフィリップ・クラークがフレッシュ&イージーの収益について言及、「早くて年内には損益分岐点を超える」とコメントしたようです。FT紙による取材に答えたもの。2012~2013年度にかけて損益分岐点を超える月が出てくるという表現なので、年間を通して利益が出るという言い方ではありません。
それと、損益分岐点が超えはじめるということと、十分なリターンが出ることは異なる、投資をしている以上リターンを出さなければならない、ということを言っています。これまでの累積赤字を念頭に置いての発言でしょうね。
推測ですが進出以来、累積赤字は7億ポンド、総投資額は10億ポンドと見積もられています。
すべてを回収して英国本体に貢献し始めるにはいましばらく時間がかかることでしょう。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:58 PM |
January 5, 2012
[ダラーゼネラル] 数ヶ月以内に1万店舗の大台を突破
ダラーゼネラルが年内に625店舗を新規出店すると発表しました。
加えてリモデルとリロケーションが550店舗、トータルすると1,175店舗に何らかの手が加えられるというわけです。
またそのうちの50店舗が昨年進出したカリフォルニアで、配送センターも建設する予定があるようです。
2010年度が600店舗、2011年度の数値が手元にまだ無いのですがおそらく同程度として、今年も同じレベルで店舗を増やすというわけですが、やはりこの数字は桁が違いますよね。
たぶん、数ヶ月以内に1万店舗の大台に達するはず。
ダラーゼネラルの快進撃が続いています。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 4:51 PM |
November 17, 2011
ダラーゼネラルのオペレーションレベル
本日ベントンビルからアトランタへ移動しました。
アトランタに来るのは久しぶりでして、いろいろ発見がありました。
その一つがダラーゼネラル。
店舗のオペレーションレベルが高く、欠品も少なく前出しもできていて、なかなか良い店だったのですが、私がよく行くダラスやシカゴの店のレベルは総じて低く、なるほどこういう店もあるのだなと少々驚いたのでした。
この地域の他の店舗を見ていませんから断言はできず仮説に過ぎませんが、本社が近いエリアだから店舗のレベルが高いのかもしれないなと。
ウォルマートもカリフォルニアの店舗よりもベントンビルの方が良い店ですし、ウォルグリーンもシカゴの店は総じてクォリティが高いですから。
ダラーゼネラルって雑然とした店というイメージができあがっていたのですが、実はそうではないということを知ったのでした。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 5:36 PM |
November 3, 2011
[フレッシュ&イージー] エクスプレス1号店をオープン
昨日フレッシュ&イージーが小型の実験店舗、エクスプレスをオープンさせました。場所はロサンゼルスのほぼアーバンエリア。
昨日シカゴより戻りまして、空港からの帰途で寄れるかなと思っていたのですが、ロケーションを勘違いしていてオープン初日を見ることはできませんでした。
資料によると面積は3,000sqf(85坪、標準店舗のおよそ3分の1)、アイテム数は2,700sku(標準店舗のおよそ半分)、生鮮やグローサリーを強化したコンビニというような印象です。
これからさらに4店舗を増やし、5店舗体制で実験して展開できるかどうかを検討するとしています。
このクラスのミニスーパー市場はほぼ零細なインディペンデントが満たしています。車で町を走れば、必ず何件かは目にする事ができます。
ここを大手が狙うというわけです。
カギはチェーン展開するほど利益が出るのか否か、でしょうね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:49 PM |
October 12, 2011
[99センツトオンリーストア] 16億ドルでバイアウトが成立
99センツオンリーストアのバイアウトが決まりました。買収に合意したのは投資企業と年金組織、総額は16億ドルです。
これから株主の承認を経て正式に買収が成立します。
99センツオンリーにはいままで何度か買収オファーがあり、しかし株主に拒否されて買収が成立しなかった経緯があるのですが、今回は買収提案額が高めなので決まるんじゃないでしょうか。
この企業、10年ぐらい前までは店舗で勢いを感じたものなのですが、最近は力強さをめっきり感じなくなってしまいました。創業社長が退いて娘婿が経営をはじめてからオペレーションパワーが弱くなったように思ってます。
しばらく投資企業の傘下にいて、資産の整理をして企業価値を上げて、ひょっとするとその間に経営者が代わり、どこかにすべて売却して創業一族はお金を手にして退く、というシナリオなんじゃないでしょうかね。
<追記>
明日より研修のコーディネートで出張となるためアップデートがまばらとなりますがご容赦ください。時間があれば、店舗の情報でも載せたいと思っています。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:53 PM |
October 11, 2011
[フレッシュ&イージー] 狙い撃ちの規制がカリフォルニア州で成立
カリフォルニア州においてセルフレジしか置かない店でお酒を売ることができないとする規制が成立しました。来年の1月1日より販売が不可能となります。
お酒を売りたければ必ずフルサービスのレジを最低一つ設置しなければなりません。
この規制、フレッシュ&イージーを狙い撃ちするものであります。
セルフレジのみでお酒を売っているリテーラーはフレッシュ&イージーだけですから。
実は規制化に向けて後ろ盾となって強くプッシュしたのがUFCW(食品労働者組合)でして、なぜかというと、フレッシュ&イージーが非組合企業だからなんです。
UFCWは、ウォルマート、ターゲット、コストコ等の組合化を認めない大手企業に対してあらゆる手を使って攻撃をかける組織で、例えばウォルマートに対するアンチ運動が有名ですが、今回はお酒を武器にしてフレッシュ&イージーを狙い撃ちして成功したというわけです。
セルフレジとは言うものの必ず担当者が一人いて、酒をスキャンするとその店員が年齢確認するまで買えない仕組みになっているので、セルフレジでもほぼ問題ないと思います。
それとフルレジを最低一つ置くことを条件としているのですが、"セルフレジでお酒を買う"という購買行動はいずれにしても可能なわけで、フルレジが必要だとする意味がどこにあるのかよく分からない。
"フルレジのキャッシャーがセルフレジに目を光らせる"ということかもしれないけど、それならば、セルフでも担当者が一人いるわけだから何も変わりませんよね。
アメリカの酒規制は古い時代を引っ張っていてもともと不合理な点が多いのですが、ここに組合が絡むとさらに不合理になるということでしょうかね。
まあ消費者としてはいずれにしてもレジを通らなければならないのでそれほど大きな不都合はないのですが、フレッシュ&イージーはちょっと大変ですね。1月1日に向けて、フルレジを設置し、キャッシャーを雇わなければなりません。
何か抜け穴でも見つけない限り、コストアップは避けられない状況となりました。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:02 PM |
October 10, 2011
[フレッシュ&イージー] 赤字が縮小、この6ヶ月間がカギ
テスコが第2四半期の決算を発表し、その中で米国事業についてコメント、フレッシュ&イージーの赤字が減って来年度中の黒字化は予定通りだそうです。
半期で売上高は4億7050万ドルで前年比23.1%増、赤字は1億1300万ドルで昨年同時期の1億5100万ドルから改善されました。
"これからの半年が非常に大きい、どれだけ売上を伸ばし赤字を削減できるか。自信を持っているが、この6ヶ月間がカギだ"(フィリップ・クラーク)
ここまで言明してダメになるということはまずないと思うので、フレッシュ&イージーは軌道に乗り始めていると思って間違いないように思います。
画像はリモデルフォーマットに導入されたインストアベーカリーです。
フレッシュ&イージーのインストアベーカーリー
パンのインストア加工って肉や魚と比較すると作業工数が少なく、熟練を必要としないから導入したのでしょうね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:58 PM |
August 30, 2011
[ダラーゼネラル] 第2四半期決算、大幅増収増益で絶好調
ダラーゼネラルが絶好調です。
第2四半期の決算ですが、売上高11.2%増、最終利益高25%増、既存店成長率5.9%増と大幅な増収増益を記録、結果を受けて通年の業績見通しを上方修正しました。
客数と客単価と両方ともに上がっているようで、分野では消耗必需品が強く、とくに食品がよく売れたとしています。
食品が売れると荒利が悪化するが0.1%減にとどまり、一方新たなレイバーマネジメントプログラムの導入とマーチャンダイジングプロセスの改善で経費率が0.4%下がり、これが利益高の大幅増につながった、とのこと。
また食品売場を大きくしたフォーマット、ダラーゼネラル・マーケット(57店舗)が好調で徐々に増やしていくようです。このフォーマット、開発以降しばらく音無しだったのですが、ようやくプロトタイプができあがったようですね。
ウォルマートと好対照の業績で、低価格帯の小型店舗企業群に売上高を奪われている巷間言われていることを説明するような業績ではないかなと。
今年の新店予定数は625店舗、改装予定数は575店舗、予定通りだそうで、来年中の1万店舗超えが射程距離に入ってきたようです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:20 PM |
August 12, 2011
[ファミリーダラー] 7,000店舗目をオープン
昨日ファミリーダラーが7,000店舗目をオープンさせました。場所はテネシー州のメンフィス。
競合企業のダラーゼネラルの店舗数は昨日のプレスリリースでは"9,500店舗以上"となっています。先日の業界セミナーではダラーゼネラルの幹部が9,800店舗と言ってましたので、おそらくリリースはアバウトな数値を使っているのでしょう。
おそらくかなり近い将来、1万店舗を突破しますね。
双方を足すと1万7,000店舗、これがすべて直営です。
コンビニのようにフランチャイジングではない。
それとダラーゼネラルは全店舗の99%が黒字だと聞きました。おそらくファミリーダラーも同じような数字ではないかと思うので、まあつまりほとんどの店舗が利益を生み出しているというわけです。
一店舗あたりの売上高はたいしたものではないのですが、儲けの出る店舗とし、チェーン展開し、これを集積させることで大きな収益を上げる。
チェーンストアとはこういうものだという典型例じゃないでしょうか。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:13 PM |
August 10, 2011
[フレッシュ&イージー] 小型フォーマットの実験を開始
フレッシュ&イージーがさらに小さなフォーマットの実験を始めるようです。
新たに開発する店舗の面積は、売場が3000sqf(85坪)で総面積は4000sqf(113坪)、現行のフォーマットがおおよそ1万sqf(282坪)なので、3分の1程度の面積となります。
おおよそコンビニエンスストアと同じぐらいのサイズですね。
今後数ヶ月の間に3店舗をオープンさせて実験するそう、すでにロケーションは決めているようですね。
マーチャンダイジングについてはまだ検討段階、ただ資料を読むにフレッシュをメインに据えるようなので、ニューヨークのマンハッタンにあるような総菜ストアのような感じになるのでしょうかね。
マンハッタンのような人口が密集している大都会を除いてアメリカにはこのタイプの店がほとんどありません。
昔はあったのでしょうが、スーパーマーケットが駆逐してしまいました。一つは車社会、一つはまとめ買い文化、に理由があります。
ほとんど存在しないだけに価値はありそうですが、しかしニーズがないから存在しないとも言え、この実験の行方は注目できると思っています。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:22 PM |
July 20, 2011
[フレッシュ&イージー] 店舗のリノベーションに着手
一昨日に続いてのフレッシュ&イージーのニュースです。どうやらファイナンシャル・タイムズの記者が米国事業の責任者ティム・メイソンと一緒に店舗訪問して書いた記事の模様。
店舗デザインとマーチャンダイジングの変更です。
・花を現在の店舗の中央付近から入り口付近へ移動する。
・持ち帰り用のフレッシュコーヒーを実験する。
・対面サービスのベーカリーを導入する。
・HBC売場を縮小して加工食品500アイテムを加える。
・約3分の1の店舗面積をウッドフロアとする。
ティム・メイソンのコメントを抄訳します。
「フレッシュ&イージーは極めてシンプルなリテールモデルである。何かを加えると言うことはコストを加えることなのだが、今回の変更は加える価値が十分にあるものだ」。
このシンプルなリテールモデルがキーワードですよね。
どこまでこれにコミットしながら、食品リテーラーとしての楽しさや賑やかさを作っていけるかがフレッシュ&イージーの成否を握るかと。
ちなみに一昨日エントリーしたFSPは、各商品ごとの値下げ販促をお客によるカード使用のモチベーションとせず、使用を促す販促はポイントバックのみとするようで、その理由をメイソンはEDLPにコミットするためとしています。
お客とのコミュニケーションもメールのみとして、郵送によるダイレクトメールは送らない。
それとダンハンビーは使わないそう。
クローガーとの競合問題が指摘されていますが、本当はコスト問題なのではないかと私は推測しています。
誰がコストを負担するのかという話ですね。
長くなるので割愛しますが、これ、分かる方には分かることだと思います。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:12 PM |
July 18, 2011
[フレッシュ&イージー] FSPの導入を表明
フレッシュ&イージーの責任者ティム・メイソンがFSP(またはロイヤルティマーケティング)を導入する予定であることを明らかにしました。
報じたのはファイナンシャル・タイムズ、イギリスの経済紙のためかテスコ系のニュースについては最も早く正確です。
名称はフレンズ・オブ・フレッシュ&イージー。
英ダンハンビーが分析を請け負うようです。米ダンハンビーはクローガーとのJVであるためクローガーと直接競合しているフレッシュ&イージーの仕事はできないと気を使った模様。
この結果、フレッシュ&イージーはEDLP戦略から少々逸脱することになりますね。おそらく今後値下げプロモーションをお客にダイレクトに打っていくことになるでしょうから。
ビジネスモデルの根幹が変わることになります。
それとPB比率が高いフレッシュ&イージーにおいて、FSPで発生する費用を誰が負担するのか興味津々です。PBメーカーが負担するんでしょうかね。
ティム・メイソンのコメントを読むに、当初から計画していたようで、既定路線みたいですね。
まあ、テスコにとってのFSPは最終兵器のようなものですからこれを米国事業で生かしたいというのは当然とも言えるわけで、ということはもともと完全EDLPなんて考えていなかったということになるわけです。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 1:11 PM |
June 23, 2011
[フレッシュ&イージー} サンフランシスコに一号店を開店
昨日フレッシュ&イージーがサンフランシスコに一号店をオープンさせました。
ローカル紙が写真を載せてます。
1st Fresh & Easy market opens in S.F.
フレッシュ&イージーのサイトを見るに、ナパなど郊外も含むような広い意味でのサンフランシスコ地域(グレーター・サンフランシスコ)とすると開店予定はすでに21店舗になってます。
サクラメントエリアには15店舗、合計すると37店舗をオープンさせる計画をすでに持っていることになります。
実験うんぬんではなくて、最初っから絨毯爆撃してしまうわけですね。
すべてロサンゼルス郊外の配送センターがカバーする。
どこかの時点でサンフランシスコ地域に配送センターをオープンさせて切り替えることになるわけです。
まあこうみると、フレッシュ&イージーがアメリカから撤退するなんてそぶりはみじんも感じることはできません。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:21 PM |
June 10, 2011
[ファミリーダラー] ウィリアム・アックマンが大株主に
アクティビスト型の投資家、ウィリアム・アックマンがファミリーダラーの株式を買い集め、8.9%まで取得し最大の株主になったことが明らかになりました。
随分前からファミリーダラーにラブコールを送っていたのですが、本腰を入れたようです。
気になったので調べたのですがCEOのハワード・レビンの比率は3%ぐらいなので、創業一族を超えた比率を所有したわけですね。
もちろん株には優先株などいろいろ種類がありまして、大株主になったからといって会社を自由にできるというわけではありませんが。
アックマンが投資家向けのカンファレンスで、ファミリーダラーについてこう表現しています。
"It's a high return on capital business. They spend their money intelligently."
(資本ビジネスとしてハイリターンだ、彼らはお金を知的に使っている)
ファミリーダラーの店舗は一見するとつまらない店でして、素通りしてしまう日本の業界人も多いことでしょう。
しかしながら投資価値があるということはそれだけ儲かっていることを意味していているわけですよね。
上場している以上、投資家からこう言われない企業は何かがおかしいと反省しなければなりません。
またダラーゼネラル、ダラーツリー、ファミリーダラー、さらに加えるとビッグロッツやチューズデーモーニング、こういった企業群の売場を見て何かをピンと感じるように感性を磨く必要があるでしょう。
ちなみにファミリーダラーにはバイアウトのオファーが他の投資企業から来ていて、これと勝負をするためにアックマンは株を買い増したように思います。
資本をめぐる駆け引きは経営陣としてはいい迷惑ですが、でも決して悪いことではないし、対処が面倒ですね。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 2:21 PM |
June 8, 2011
[アルディ] 消費者意識調査でロープライスイメージ1位に
どの企業が一番ロープライスイメージが強いのかという調査でアルディが一番となりました。
(調査したのはMarket Force社、N数は6,100人)
アルディ、コストコ、ジャイアントフーズ、HEB、クローガー、マイヤー、パブリックス、セイフウェイ、ショップライト、ウォルマート、の10社をまずリストアップし、各社について、価格、クレンリネス、サービス、品質、立地、レジ、といった項目でランク付けしてもらうという手法を取っています。
おそらく調査に参加した人が住んでいる地域に出店している企業を選んだのでしょうね。
価格では、アルディ、ウォルマート、コストコが上位三社で、アルディが他の二社をおさえて1位でした。
アルディは全米レベルでは知名度はまったくない企業です。
基本的に広告宣伝もほとんどしません。
でもこうやって選ばれてしまうということは、価格競争力が非常に強いからに他なりません。
アルディの強さを垣間見た気がしてエントリーしました。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 3:52 PM |
May 24, 2011
[フレッシュ&イージー] サンフランシスコ1号店のオープンは6月22日
フレッシュ&イージーがサンフランシスコ地域での1号店を6月22日にオープンすると発表しました。2ヶ月後の8月24日に2号店、現時点では11店舗まで出店場所の手当がついていまして、ロケーションはすべてサイトで確認することができます。
この飛び地、フレッシュ&イージーにとっていいのか悪いのか、ずっと考えているのですが判断が難しい。
南カリフォルニアがまだ黒字化していないのに出てしまうわけです。
おそらく店舗によっては黒字化していると思うのですが、トレーダージョーズのようにどこでもよく売れるという繁盛フォーマットではまだないですから、北カリフォルニアの店舗もすぐにガンガン売れるというわけにはいかないでしょう。
これを遠くに作って、管理しきれるのかどうか。
おおよそ本社から離れた飛び地出店はうまくいかないことが多いんですよね。
フレッシュ&イージーの北上が北カリフォルニアの競合企業にどういう影響を与えるのか。
興味を持って見守りたいと思ってます。
投稿者: 鈴木敏仁 日時: 12:56 PM |
April 20, 2011
[フレッシュ&イージー] テスコが昨年度の決算発表、大幅に増えた米国事業の赤字
英テスコが昨年度の決算発表(2月26日期末)、その中でフレッシュ&イージーの業績に触れているのですが、赤字がさらに増えてまして米国事業がいまだ軌道に乗っていない状況を物語っています。
売上高は8億1,800万ドルで前年比42%増なのですが、赤字が3億700万ドルで昨年の2億5300万ドルから大幅に増えています。
既存店成長率は9.4%増でした。
コメントでは、昨年サプライヤーを買収したのでこれが赤字額を急増させた、今年度は赤字は縮小して行くことだろう、300店舗で損益分岐点を超える予定で、2013年度末までには黒字化するだろうとのこと。
ちなみに現在の店舗数は172店舗です。